謝玄3 王珉ブチ切れる
ちなみに王珉はあの
宴席にて王珉、謝玄に杯を掲げる。
「ささ、まずは一杯どうぞ」
「ん」
ぞんざいな謝玄の返事に、
王珉はブチ切れ、
いきりたって立ち上がった。
「
ずいぶんイキってんじゃねえか!」
ずいぶんなブチギレようである。
その様子を見て謝玄、
手を叩いて爆笑した。
「王薈様、
ずいぶんとまあ野蛮ではないですか!
これでは、中原に攻め寄せきた
蛮族のようだ!」
王僧彌、謝車騎共王小奴許集。僧彌舉酒勸謝云:「奉使君一觴。」謝曰:「可爾。」僧彌勃然起,作色曰:「汝故是吳興溪中釣碣耳!何敢譸張!」謝徐撫掌而笑曰:「衛軍,僧彌殊不肅省,乃侵陵上國也。」
王僧彌と謝車騎は共に王小奴が許に集う。僧彌は酒を舉げ謝に勸めて云えらく:「奉じて君をして一觴せしめん」と。謝は曰く:「爾るべし」と。僧彌は勃然と起ち、色を作して曰く:「汝は故より是れ吳興が溪中の釣碣たるのみ! 何ぞ敢えて譸を張らんか!」と。謝は徐ろに掌を撫して笑いて曰く:「衛軍。僧彌は殊に肅省せず、乃ち上國を侵陵さるなり」と。
(雅量38)
王珉
泣く子も黙る琅邪王氏。兄貴の王珣と共に当代いちの名士としてブイブイ言わせてた、割に全然伝が残ってない辺りお察しな感じである。まぁこの感じだと、いつでも落ち着き払ったアニキとは真逆だったりしたんだろうなあ。とりあえず謝玄の八つ下。そんな奴にガン切れで幼名で呼ばれたら普通キレ返す所ではある。
王薈
王導さまの末っ子、言い換えれば王珉の叔父貴。しかしとてつもなく背景。この話って王珣と謝安の不和辺りを下敷きにして語られるべき話のような気もするけど、どうなんだろうなー。ちなみに衛将軍位を追贈で受けている。またこういうパターンだよ……そういう「当時の人間」では用いようのない呼称使うのやめてくれませんかねえええええ!?
上国
春秋戦国の辺りで、中原の国々をこう呼んでる。その陵、つまり中原国家先祖代々の墓をぶち壊そうと侵入してくる、と言えば、つまり蛮族です。「あらやだお下品ね僧弥くん?」を、この上なくミヤビヤカに言ってみせたわけだね。「ミヤビの極み」たるべきである琅邪王氏の御曹司に対して。エグいですわー、阿羯さん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます