桓温60 断腸
敢行した時のことである。
峡谷に差し掛かった時、
兵卒の一人が、どこからか
猿の子供を捕まえてきた。
崖の上を見れば、
親と思しき猿が悲しそうに
キイ、キイと鳴いている。
船は渓谷を数百里遡る。
が、親猿、決して去ろうとしない。
それどころか、遂には崖の上から
船に飛び移ってきた!
しかし、あまりにも
高すぎたためだろうか。
船に辿り着くと、母猿は
すぐさま絶命してしまった。
着地のショックで母猿の腹が敗れ、
中身がこぼれ出る。
すると、その臓物は
ズタズタになっていた。
桓温さま、子猿を捕まえた
兵士に対し、激怒。
解雇してしまうのだった。
桓公入蜀、至三峽中。部伍中有得猨子者。其母緣岸哀號、行百餘里不去。遂跳上船、至便即絕。破視其腹中、腸皆寸寸斷。公聞之怒、命黜其人。
桓公は蜀に入り、三峽の中に至る。部の伍中に猨の子を得たる者有り。其の母は岸に緣し哀號し、百餘里を行きても去らず、遂には跳ねて船に上り、至りて便即に絕す。其の腹中を破りて視れば、腸は皆な寸寸に斷つる。公は之を聞きて怒り、命じ其の人をして黜せしむ。
(黜免2)
原文はどう考えても「母猿の腹を割きました」なんですが、さすがにそれはさぁ……とゆう。まぁ、兵士が割いた、というふうにすれば、現代でも通じやすくなるのかな。「なんでそう人でなしなことすんねんお前」てきに。
この辺マイルドにしたいけど、モツがこぼれ出ちゃってる段階でどう頑張ってもスプラッタにしかならないんですよねぇ、この話。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます