明帝1  詔勅パンチ   

明帝 司馬紹しばしょう 全11編

既出:元帝3、元帝△1、元帝6、元帝7、司馬懿4



※原文が明帝と元帝とを取り違えてる。

 つーか! 他の誰かはともかく!

 皇帝を! 取り違えんなと!!!



元帝さま、西堂で宴を開く。

ほろ酔い加減の時に聞いた。


「これだけの名臣が集っているのだ。

 ぎょうしゅんの時代の顕現も近かろう」


これにすかさず大声でツッコむのが、

当時尚書僕射となっていた周顗しゅうぎである。


「あぁええ、陛下は尭舜レベルです。

 けど陛下、こんな琉遇の身にあって、

 なんであの理想の時代と

 較べられるんですか」


ちょっとしたリップサービスだってのにね。

元帝さまガンギレですよ。

どんだけキレたかって、執務室に戻って

詔勅を書く黄色い紙いっぱいに


「周顗ぶっ○す」


って書き連ねたくらい。

アレがアレでも、まぁ詔勅ですので

廷尉は周顗さんを連行しました。


とは言え、数日後には

詔が別に出て、釈放。


みんなが周顗を見舞う。

すると周顗は言った。


「死にゃしないとは思ってましたよ。

 あんなんで死罪とか、

 どこの暴君ですかって話じゃないですか」




明帝在西堂、會諸公飲酒。未大醉、帝問「今名臣共集、何如堯舜時?」周伯仁為僕射、因厲聲曰「今雖同人主、復那得等於聖治?」帝大怒、還內作手詔、滿一黃紙。遂付廷尉、令收因欲殺之。後數日、詔出周。群臣往省之。周曰「近知當不死罪不足至此。」


明帝は西堂に在りて諸公と會し酒を飲む。未だ大いに醉わざるに、帝は問うらく「今の名臣の共に集まれるに、堯舜とでは何如?」と。時に周伯仁は僕射と為り、因りて聲を厲として曰く「今、人主を同じうせると雖も、復た那んぞ聖治にては等しきを得たらんか」と。帝は大いに怒り、內に還りて手ずから一なる黃紙に滿つる詔を作し、遂には廷尉に付さしめんとし、令し收め因りて之を殺さしめんと欲す。後に數日して詔せるに、周は出で、群臣は往きて之を省る。周は曰く「近ぼ當に死なざるべしと知る、罪は此れに至るに足らざれり」と。


(方正30)




明帝が即位した頃には、とっくに周顗は王敦に殺されてる。なので、さすがにこれは書き間違いだろ、とツッコミが入ってる。確かにこれが明帝のエピソードなら

キャラ崩壊著しいわ。


けどまぁ、一応明帝さまのところに置いときます。原典表記準拠、という事で。

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