元帝9  太陽がいっぱい 

正月の宴会のことである。

元帝げんていは、王導おうどうを引き立て、

玉座のある段にまで登らせようとした。


バカ言っちゃいけません。

王導は断る。


まーまーそう言うなよ。

元帝さま諦めない。


あのですね、遂に王導さま、たしなめる。


「陛下。太陽は一つです。

 太陽と同じくらいに

 別の物が輝いてしまったら、

 下々は太陽を崇めますか?」




元帝正會,引王丞相登御床,王公固辭,中宗引之彌苦。王公曰:「使太陽與萬物同暉,臣下何以瞻仰?」


元帝の正會せるに、王丞相を引きて御床に登らしめんとす。王公の固くに辭せるに、中宗は之を引くこと彌よいよ苦ろとす。王公は曰く:「太陽をして萬物を同じく暉かしむるに、臣下は何ぞを以て仰ぎ瞻んか?」と。


(寵禮1)




見方変えりゃこれ「お前の根拠は玉座だけだよ」ですよね。

個人的にはその解釈の方が面白い。

陰謀論楽しい!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る