曹操3  劉備あのやろう 

曹操そうそう裴潛はいせんに質問した。


「あんた、荊州で劉備りゅうびと一緒だったよな。

 なあなあ、アイツの才能ってどうよ?」


裴潛が回答する。


「そうですね、首都辺りにいたら、

 やたら状況を引っ掻き回すでしょうが、

 統治なんてできたもんじゃないでしょう。

 ただ片田舎で、地の利を活かして

 引きこもってきたらヤバいですよ」




曹公問裴潛曰:「卿昔與劉備共在荊州,卿以備才如何?」潛曰:「使居中國,能亂人,不能為治。若乘邊守險,足為一方之主。」


曹公は裴潛に問うて曰く:「卿は昔に劉備と共に荊州に在り。卿は備の才を以て如何?」と。潛は曰く:「中國に居せば人を亂す能うも、治を為す能わず。若し邊に乘じて險を守らば、一方の主と為すに足らん」と。


(識鑒2)




裴潛

割と人格的にはアレだが、えらい勢いで内政的功績をあげまくっている。こういった予言者じみた存在は、時代の解説役として重宝がられる。誰にって? 物語書く、俺らみたいな奴らだよ!


劉備

ここにしかいない。正直曹操のオマケみたいな感じだけど、劉備を目立たせたいんですよ少しでも。いわゆる「しょく」の地に拠点を構えた。そこは四方を山に囲まれた、まさに天然の要塞。彼は裴潛の見立て通り、見事に「厄介な片田舎のボス」になりおおせた、というわけだ。

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