これまでのあらすじ

 ヨルinメリィ・ウィドウ


・年末、森で採取を行っていたヨルは、傷ついて倒れた男を発見。街へと連れ帰る。

 男は服装から教会の関係者と思われるが、目を覚ました時には、自分に関する名前以外の記憶を失っていた。

 トーヤと名乗ったその青年は一向に記憶を取り戻せないまま、その天真爛漫な性格でヨルも含めた街の住人達に受け入れられ、そのまま年越しを迎える。

 

・一方、新聞屋アヤは二年前に街の管理者の一人・カグヤと交わした契約を果たし、自分を追う帝国の実家の眼を逃れるため、街を去ることとなる。



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 ヒカリinアタゴ


・聖都の実家で年越しを迎えたヒカリは、同期の一人であるツグミがアタゴの街での駐留任務に就いていることを知り、会いに行く。

 ツグミは聖騎士としての駐留任務の傍らで、街の食堂に住み込み、仕事を手伝いながら暮らしていた。概ね町民と良好な関係を持っていたツグミだったが、唯一、食堂の先代女将とだけは上手くいかない様子であった。


・旧交を温めるヒカリとツグミの元に、街道に魔獣が出現したとの報せが齎される。

 ジンゴの蔵書から得た知識で、それが魔国に伝わる危険な魔獣ではないかと説き、緊急事態であることを告げるヒカリだったが、町長のカノは、教会の本部に連絡がつくまで待つようヒカリに厳命する。


・ヒカリは夜明け前、町長の屋敷を抜け出し、それを待ち構えていたツグミと、魔獣の目撃者である商人のサカキを共に、街道の調査に出る。



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 吸血鬼サイド


・真祖カルミラの第二世代の眷属・オロは、同じく第二世代のギムリとその眷属たちが聖騎士に襲撃され痛手を被った件の調査と、行方不明となったギムリの眷属の一人の情報を求め、聖国へと潜入していた。

 そこで捉えた貴族家の男を伝い、逆に聖都の貴族家から接触を受け、黒幕がメリィ・ウィドウの街に潜伏し勢力の拡大を目論む真祖ヨルであると告げられる。

 その言葉を鵜呑みにはしないものの、新たな真祖の発生とのことで元々ヨルに接触するつもりであったオロは、一先ず標的をメリィ・ウィドウの街に定める。



 聖都サイド


・五大貴族の一つサイオンジ家が所有する地下実験施設。そこでは当主であるモンドによる、勇者に関する研究が秘密裏に行われていた。

 魔国と帝国にそれぞれ接触し暗躍するモンドの傍らには、メリィ・ウィドウの街の曖昧屋ジンゴの姿があった。

 先の吸血鬼との戦いで研究の進捗に打撃を受けたモンドは、その際に行方不明となった観測班の男の捜索を部下に命じつつ、ジンゴに実験の助力を求めていた。



 アヤサイド


・帝国の宿場町に逗留していた逃亡中のアヤに、かつての敵・アズミが接触する。

 司法取引で騎士団の裏仕事を請け負っていたアズミの口から齎されたのは、アヤの魔法の師である騎士隊長が、ヨルの討伐にメリィ・ウィドウの街へと向かっている、という報せであった。



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