最期の秋

作者 ああだこうだ

8

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★★★ Excellent!!!

死に様は生き様、と言われます。

五胡十六国時代。
殺し殺されが繰り返され、
と言うことは、沢山の花火のような
生き様が、そこかしこにあった。

ああだこうだ氏が、それら花火の中から
特に美しさを感じられた、
そんな人物について語られていきます。

いま完結しているのは、石勒の皇后。
この時代の輪郭を何となく
聞いたことある人なら、石勒の名は
ちょっと引っ掛かるんじゃないでしょうか。

この人はこの人で生きるドラマでしたが、
周りもまたすごい。
石勒という英雄が死んだ後、
その権力を求めて、宮中が荒れに荒れます。
勝者は、甥の石虎。劉氏は敗者。

石虎はその後、旧石勒配下の内
自分に協力しない者を皆殺しにしました。
となると劉氏は、当然殺されます。

さて、石虎は甥です。正統ではない。
そして先の話をすると、
かれの死後、やはりかれの後継者は
正統でない別の者に殺されます。
歴史は、巡る。

劉氏は、何とかそこを食い止めようとし、
しかし滅びた。

選んだのは、誇り高き死でした。
劉氏は言います。
「国は我が子」。
石勒との間に男児をもうけられなかった、
劉氏の言葉として、それはとても鮮烈で。


現在劉氏は終了、
次なる悲劇の名将「北宮純」
の物語が始まってます。

彼は動乱の中、使える主を
点々とせざるを得ず、
最後は反乱軍の一派として
攻め殺されました。

激動の運命の中、
それでも誇り高く生き抜いた武将。

如何なる死に様が描かれるのか、
いまから楽しみなのです。