第28話 エピローグ
鈴木はいつも通り普通に会社に出社していた。
一週間経っても
ベルギウスの薬をちゃんと飲んだのかどうか心配していた。
鈴木は現実世界での小鳥遊の連絡先を知らないので、連絡できずに困っていた。
ただ、村田課長とは休みの連絡を取っているようなので、小鳥遊がちゃんと生きていて、話はできる状態である事は分かっていた。
「あー、みんなちょっと集まってくれー。」
村田課長が全員を急に集めた。
隣に小鳥遊が立っていたので、鈴木は驚き、そして姿が見れたので少し安心した。
「大変残念ながら、小鳥遊さんは最近体調が悪く、休みも続いていたことから、今日付で会社を辞めることになった。小鳥遊さん、では挨拶を。」
「みなさん、お忙しい中、ちゃんとアシスタントする前にこんな形になってしまい、大変申し訳なく思っています。
体調がよくなくこれ以上、みなさんにご迷惑をおかけする事はできないと思い、会社を辞めることにしました。
短い間でしたが、ありがとうございました。」
涙をぐっと堪えて、凛と話した。
村田課長は、今までありがとう、と言って花束を渡した。
そのまま、小鳥遊は周りのみんなに小さく挨拶しながら、会社のドアを開けて出て行ってしまった。
鈴木は小鳥遊を追いかけた。
花束を持って歩く小鳥遊。
鈴木はなにかを叫んだようだったが、橋の下を電車が通っているようで小鳥遊には聞こえていないようだった。
鈴木は走って小鳥遊を捕まえた。
髪の毛をなで、そしてゆっくりとお互いの顔を見つめあった。
鈴木は照れ笑いをしながら、自分たちにしか解決できない問題がある事を伝えた。
小鳥遊も同じことを思っており、解決案を提案した。
鈴木はそれはとてもよい案だと頷いた。
2人は微笑みあった。
そして、鈴木は優しくキスをした。
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