名古屋の友だちに会ってきた! (2/4)

父の話

話は、父が生きていた頃にさかのぼるんですが、

とつぜん伊勢(実家)の父から、広島のわたしの家に、

「30万ほど貸して欲しい」

というTELがあったんです。

おかしい。貯金も1,600万円あり、年金もあるはずなのに。

不審に思って、「いつか、伊勢に行かねばなあ」

と思っていたんです。

そうこうしているうちに、とつぜん家を売って伊勢から名古屋へ引っ越すと父からのTEL。

家を建て直す、伊勢に骨を埋めるって聞いてたから、不審は増すばかり。

で、その年の5月3日、わたしらは近くの山に登山していました。

頂上まで登ったとき、義母から夫のケータイにTEL。

夫は、わたしを振り返り、真っ青な顔で、

「山を下りなくちゃ。お義父さんが自殺した」


名古屋に着いたのが夜11時頃、だったっけ?

記憶もおぼろなんですが、名古屋についたのが夜だった。

そのとき、父がアパートを借りていたことを知りました。

警察が押えていた遺品を、遺族に渡すべきところを第三者が引き取ったこと、

遺品の中に、父のアパートの鍵があり、

それが返ってきていないことが判明。

父が何をしていたのか調査できなかった上に、

出頭したわたしに警察が、「あんたが殺したんだろう」

みたいな言い方されて、精神病がぶり返し、あっちの世界へ……


その後鍵を取り戻し、父が600万円の借金を抱えていたことが判明する

たいした金額じゃないのです。サラリーマンの年収ぐらいかな。

そりゃ、こつこつ返せば、返せないことはないでしょうけど。

でも、親の負債を、子が払う必要はない、と思うのであった。

でも、父はそのとき、50円(100円だったか?)、財布になくて。

年金もすべて借金につぎ込んでおりました。

なぜ……?

あとで聞いた話ですが、父の双子の兄(伯父さん)によると、

宝飾を営業していた妹のノルマのために、

つぎ込んでいたという。

しかも、実家の土地を勝手に持ち出して、

借金の形にしたという。


というわけで、相続放棄

3ヶ月以内で相続放棄しないと、問答無用で借金がかかってくるので、

イカれたわたしのかわりに、夫が実印持って、裁判所へ行ったりしてました。

なんと妹は、わたしの旧姓でわたし名義で30万円の借金を!

なんにも知らなかったので、愕然としました。

(債務不在届けを、郵便局に内容証明付きで出しました)。


あとで知った妹のほんとうの職業

妹は、ほんとうは矯正下着の請負営業をやっていたようです。

悪い人にひっかかったんだろう、とMたんは言います。

Mたんの言うには、

「営業って、口がうまいから、

よっぽどしっかりしていないと、

『まあ、このぐらいならいいかー』 って思っちゃうよね」

妹は、詐欺的手法ってしきりに言ってたけど、

詐欺の片棒を担いでいたことは、間違いないと思われます。

義母などは、『邪悪な妹じゃ』 と敵視している。「愛されてるねー」とMたん。

それほどでも。


後悔、あるよね

警察は、たとえ事故でも近親者の調査をする、とMたん。

「あんたもつらいよね。もし、そういうことだと知ってたら、

広島に引き取って、近所に住んでもらって、

面倒みたかっただろうに」

でもさー、老人を2人も見るのは大変だよね、と思うわたしもいたりする。

父は鬱でした。

母が亡くなって、仕事もなくなって、支えを失ったのが原因でしょう。

孫の顔を見せにくる妹の話をしては、「あんたはオバさんだ」 と言っていた父。

「孫の顔を見せたのは、カネのためでしょ」 と Mたんは淡々としています。

「だって、もし、子どものノルマが達成されなかったら、孫がかわいそうって思うもの」

妹はそういうつもりはなかったかもしれないけど、結果的にそうなってるからねー。

にしても。父はいったい、どんなつもりでそこまで借金をつぎ込んだのか。

いい加減なところで、拒否できなかったのか。

妹さんも、たいがい、父親に依存しすぎ。とMたんは言うのであった。

そうなんだよー。くやしいよ~。(歯ぎしり)


父もきょうだいはいたけど、あまり仲が良くなかったかも

と、Mたんに言ったら、

「わたしの知り合いにも、スーパーを経営している家に嫁いだ子がいたけど、

義母からブランドものとか買ってもらって、ぜいたくさせてもらってたのに、

義母が亡くなったとたん、家に寄りつかなくなって、

きょうだいにも連絡しないって人がいる」

って話をしてくれました。

死んだとたん、手のひら返し!

そりゃ、ちょっとね……


といった、よもやま話で盛り上がりました。

聞いてくれる友だちがいると、それだけで気が楽になりますね。

とくに、知らないことを教えてくれる人がいるというのは、

よかったですわ。

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