角野栄子 講演会(実写版映画)

実写版の『魔女の宅急便』です。

あらすじは、とある山の町に住んでいたキキが、コリコの町に魔女修行にでかけ、トンボという少年と出会ったりしていくうち、悪意と誤解から飛べなくなってしまうけれど、持ち前の優しさをためされて飛べるようになって使命を果たす、

 という単純明快なストーリー。

 

 冒頭で、東洋に住む魔女の話ですと書いてあったのですが、東洋のどこなのかな。黄色人種が住んでいるらしいけど。なぜ筒井道隆がキキのパパなんだ(笑)

 ガラガラを赤ん坊にかかげている時代から、反抗期のキキの時代へ。おかーさんは魔女だったのです、なんてどこかで聞いたナレーション(笑)


 そうして、たった一つ、空を飛ぶ魔法しか持たないキキは、どこにも魔女のいないコリコの町へ、一年間の魔女修行に入ります。

 最初は、どこも泊まるところがないために、動物園のカバの檻に泊めてもらうんですが、それを発見した飼育員に、ひどい目に遭わされてしまいます。

 箒で逃げる直前、スカートをびりっ! と引き裂かれてしまって、なかなかエロいですねー(笑)


 まあ、主人公の若さはじける映画でしたが、役をやっている小芝風花ちゃんは、その後どうしているんでしょうか。これっきり音沙汰を聞いてない気がしますが。


 親切なパン屋のおかみさんは、アニメの影響があるのかなという印象でした。

 アニメと違うのは、クリーニング屋さんのお手伝いをするのに、魔法の力をつかうこと。

 箒のしっぽに洗濯ひもをつけて、洗濯物を万国旗のようにはためかせて、くるくるめぐるところが、いいなーと思いました。

 

 でもやっぱりねえ。

 アニメのほうが、面白い。

 なぜっていうと、魔女の力を失うきっかけと、復活するきっかけが、それぞれ、ちょっとテイストじゃなかったから、かも。

 実写版だと、魔女の力を失うきっかけは、信頼していた女の子に裏切られるためなんだけど、これはキキがあまりにも無邪気すぎるのも原因。真っ黒の封筒を見た時点で、あやしいと思うべきだった。


 魔力が復活するのも、カバの命が風前の灯火だったためで、それを救うために命がけでとなりの島まで行くと決意するのがきっかけ。

 これは理由としては弱すぎる。命がけで動物を救う行為は立派だと思うけど、ひとばん泊めてもらっただけの恩でしょう? 嵐のなかを飛ぶには、少々無謀すぎるのではなかろうか。


 角野栄子もチラと出てましたが、しっかり悪役でした(笑)こういうところが角野さんらしいや。


 嵐のなかを飛ぶキキと、それを応援するひとびと。そして、むなしさを抱えていた歌手が力を得て歌を歌い出すシーン。

 それは、別の動機だったら、感動的なシーンだと言えるかもしれない。

 けど、動物を救う、という、わたしには身近ではないテーマに、みょうにさめてしまうわたしがいました。


 あっというまに広がった悪評が、一度や二度の善行で帳消しになるのも不自然だし、動画の撮れるビデオカメラがあるのに、空を飛ぶ飛行機がないのも不自然。

 要するに、この話を楽しむには、わたしは年を取り過ぎてしまったようです。


 実写版の『魔女の宅急便』は、話の展開は無理がある気がしましたが、空を飛ぶシーンは宮崎さんと匹敵してる気がする。

 もうちょっと、設定をSF的に練ってもらったら、言うことなかったかもしれません。

(実写版のファンのひと、済みません)

 

 宮崎さんの才能が突出しているんだな、と改めて思ったりもしました。

 努力して手が届くひとじゃ、なさそうだ。

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