歴史探訪ウォーキング 3月号 (01)
車で15分程度のところに古い公民館がありまして、そこで歴史ウォーキングがあるので、参加してきました。
9:30から12時まで、『神社仏閣を巡るコース』 を歩きます。参加者は60代のひとが中心で10名程度。雨が降るかも、という予報だったので、折りたたみ傘を持っていきました(結局 雨は降りませんでした)。
会議室で手作りの冊子資料(100円)を渡されて、説明を受けてからウォーキングへ。
広島電鉄の駅に着いたとき、「ここが終点だったから、屋根がVの字になっている。むかしは特急も走ってた」
と説明を受けました。いまは、ちんちん電車の広島電鉄は、『特急』 なんてものはありませんね。乗客がすくないからかな。
そこをすり抜けて右手のほうに、倉が見えてきます。
「あそこに こてえ(鏝絵) が 見えるけど、倉を建てたひとと左官が仲良しだと、つけてくれるんだ。こてえ がない倉は、左官が仲良しじゃなかったんだね」
と、ガイドのNさん。
「なんで、こてえ を倉につけるんですか?」
と、質問が飛ぶと、
「魔除けですね。絵柄は 獅子と牡丹が多いのです。一昔前には、やくざ映画で 獅子と牡丹が刺青されている場面とかがあったりするけど、あれはべつにやくざの専売特許ではなく、昔から宗教的に、獅子と牡丹は一緒に描かれてきたんです。
伝説中の獅子には、身中の虫がいるのですが、この虫は、牡丹の露に弱い。
なので、獅子の安住の地ということで、牡丹が描かれています。
ほかに、竹と虎、というものもありますが、虎は象に弱く、象は竹に弱い。なので、虎は竹の中にいる。というわけ」
という話をしてくださいました。
ジャンケンみたいな話ですな。
ぐー(石)は、ぱー(紙)によわく、ちょき(はさみ)に強い……ってアレです。
そんな話をしながら、慈光寺へ参りました。
そこでは、美しい仏壇(写真撮影不可)と、天井の龍の絵がありました。
龍の絵は、寺の内部のどこへ行こうとも、その目玉がにらみつける、という不思議なものでした。
中にはいったひとびとが、おお! と感心した声をあげています。
ふつうなら、龍には球がつきものなのですが、絵を依頼した住職が、「ここの門徒こそが球だ」と言って、球をなくすことになった、そうでした。
お寺なのに境内に神仏習合時代の鳥居があるのでした。
(この町は、千年ほどの歴史がある、と誇らしげなガイドさんなのです)
次へ行ったのは、鷲森神社。
わしもり神社といいます。
祀られているのは、宮島さんと同じ市杵島姫命(つきしほひめのみこと)と金比羅さま。
豊漁と海の安全を祈ったそうです。
ここら辺は、宮島さんへ続く道がありまして、一休みをする歓楽街があったようです。
なので、このあたりで一旗あげた太夫(歌舞伎の女役の男か、女役者か)が、記念の石碑を建てています。
ちなみにここへお参りするのに、標柱(しめばしら)、というものが両側に立っているところを入りますが、これは広島での独自の風習です。
ほかのところだったら、『鳥居』が主なのですが、広島では標柱が多いのでした。
そういえば、近所の神社も鳥居より石の柱がありましたっけね。
吹き抜けの木造寺を見て、
「台風とか、だいじょうぶですか」
と聞いたひとがいました。
「だいじょうぶじゃありません。こわれるたびに、うちの町内でお金を出し合って、修繕しています」
過去の遺産を未来に渡すって、ひとことで言いますけど、お金もかかるし人材も必要。
京都みたいに有名だったら、観光客がお金を落としてくれるでしょうが、この町だったらさほど有名じゃないもんね……。
明日は、歴史探訪ウォーキング02です。
浅野藩主のお墓や北条氏家のお墓などを巡ってきました。小判がなくなった井戸の話もあります。お楽しみに。
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