映画鑑賞日記 『DISTINY 鎌倉ものがたり』
2018/02/05、午前11:55から 映画を見ました。実写版の日本映画。ちょっと懐かしい感じの物語です。
タイトルは『DISNEY 鎌倉ものがたり』。
主人公は、大正の明智小五郎みたいな服を着た売れない小説家、一色正和とその若妻の亜紀子ちゃん。
新妻の彼女の面倒を見るキンというお手伝いさん (なんと中村玉緒が演じている) も出てきます。
ネタバレあらすじは、こちら。
http://eiga-watch.com/destiny-kamakura/
最初、夫から『亜紀子ちゃんが死ぬ』と聞かされていたので、どうやって死ぬのか、いつ死ぬのかと
ひやひやしつつ鑑賞していましたが、なかなか死なないので、『情報が間違っていたのか?』 とがっかりしていました。
冒頭がとくに平和なので、ちょっとものたりない。まあ、あのシーンがあるからこそ、後になればなるほど、正和と亜紀子の仲の良さが効いてくるんだけどさ。
魔物たちの出店する『夜市』 で、お買い得のマツタケを食べた亜紀子ちゃんは、味噌汁にマツタケを入れてしまうんですが、その味見をしたせいで死んでしまいます。
そこへ行くまで、長い長い。殺人事件があったり、貧乏神のシーンがあったり、どんな関係があるんだよ、なんて思ってましたが、意外と絡み合ってる。
ひょうきんで愛嬌のある死神が、わたしにはツボでした。
亜紀子に親切にされて、感動する貧乏神、とぃうところが、落語的というか民話的なのどかさで、これもよかったな。
それにしても、『夜市』 の描写が、昭和のテイストたっぷりで、「千と千尋の神隠し」 の影響を感じるのはわたしだけなのだろーか。
コスプレしてると亜紀子ちゃんは興奮しています。魔物たちだとは思ってない。鎌倉には妖気が充満しているという正和のことばも信じてない。
ま、ふつーはそうです。正和の周囲は、不思議なことばかり起こってますし、そこはパラレルワールドの鎌倉なのでしょうねえ。
魔物と一緒に同居している鎌倉のひとたち。一杯飲み屋の 『静』 (女将がなんと、薬師丸ひろ子)でも、魔物が出てきて、幻想的な空気を漂わせています。
この映画で一番おもしろかったシーンは、やはり後半部分でしょう。
前半が、平凡でどちらかというと動きのないストーリー展開なのですが、後になると天頭鬼(てんとうき)という化物が出てきて、
こいつがものすごいアクションシーンをくりひろげます。
攻撃してくる化物に対して、正和の武器は想像力のみ。
しかも、けっして傷つけないタイプの想像力です。
子ども向けの映画なのかと疑ったりもしました(笑)
特殊効果がひじょうにリアルです。夜市の魔物たちといい、編集の本田さんの魔物化した姿といい、天頭鬼といい、ほんとうにありそうなんですよ。どこか懐かしい光景にマッチして、「こんな魔物と暮らせたら、おもしろいだろうなぁ」とあこがれちゃったりもしました。
本田さんの魔物化は意外でしたが、死んだことでこころ残りがあって、選択肢がそれしかなかったというのは泣ける。しかも、残した家族に男がつきまとってくるために、嫉妬と怒りで魔物化がひどくなるところは、いかにもっぽくて共感してしまったな。
その後、本田さんはどうなったんだろう。ちょっと気になる。
正和と亜紀子のシーンは、泣ける場面が多くて、ハンカチがぐちょぐちょになりました。愛するひとと別れるって、どんなひとでも起こりうることだから。こればかりは、AIでもわからないこと。だってAIには死なんて存在しないんだから。生きているとも言えないしね……。
天頭鬼は、そういう意味では、とっても人間的な鬼だと思う。敵として対決して、乗り越えていくべき存在だけど、消滅できないというか、していないのは、けっきょく人間性には、邪悪というものが必要だというメッセージが含まれているのでしょうか。
ラストのあたりで、想像力を武器にしていた正和が、危機に陥ったときに救ったのが、
けっきょく嫌われ者の神器だというところが、わたしには深いなーと思えるのでした。
大興奮の映画鑑賞でした。楽しかったです。
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