24.「そんなこんなで自称妹との生活が一週間は経った。」

「なあ、千尋ちゃん」


「んもー、『ちゃん』付けはいらないのにー」


「ああー、すまんすまん千尋ちゃん」


「んもー!」


驚くほど自称妹との生活は日常と化していた。


「んだよー、千尋ちゃん、休みの日ぐらいゴロゴロしてて良いだろう。お兄さんは平日の勤労奉仕で疲れてるんだ。」


「そ、そーだけど・・・そろそろ買い物行かないと食べる物無いよ?」


「いーの、いーの、そん時は外食でもして」


「だーめ。だめ。お兄ちゃん、いっつも外食行って貯金とか出来ないじゃない・・」


「えー、疲れてるしめんどくさいんだよ」


「だ、だから居候の私がね、お金掛からない様に料理したいの」


自称妹なりに気を使っているらしい、殊勝な事だ。


「じゃあ、そーだなあ、ゲームしてから行こう。遊びたい気分なんだ。」


「んもー。仕方ないなあ、お兄ちゃん。30分だけだよ。」


自称妹は顔を膨らませた。


「甘いぞ甘い甘い千尋ちゃん」


「だから『ちゃん』付けは・・・あっ・・・やられちゃった。」


「はは、僕の勝ちだ」


「んー、やっぱりお兄ちゃん強いー・・・」


自称妹は口をへの字にしてコントローラーを床に置いた。


こういう風に僕らの日常は流れている。


朝、自称妹に起こされ、自称妹が作った朝食を頬張り、出勤し、仕事終わったらまっすぐ帰宅し、自称妹とダラダラとテレビみたりゲームしたりして、自称妹が作った夕食を食って、またダラダラとテレビ見たりゲームをして、眠くなったら、自称妹を抱き枕にしつつ寝る。


この生活が意外にも馴染んでいた。


「さっ、ゲームはおしまいおしまい。そろそろ買い物行こうよ。お昼ご飯、何も食べる物無くなっちゃうよ?」


いささかゲームに熱中し過ぎた様だ。自称妹に呆れられてしまった。


「ああ、わかった・・・行くか」


と僕が返事をすると


「うん!」


と自称妹は元気良く答えた。

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