本文の内容は面白いです。
生産がおざなりになっていないですし、基本的にはのんびりスローライフをしているのでタイトルで読んでみようと思った人は大体楽しんで読めるのではないでしょうか。
ハーレム要素タグに関してはハーレムみたいだけど現状恋愛よりは家族の意味合いが強くてほのぼのと見ていられますね。
逆にイチャイチャラブラブ~と言った雰囲気を期待している人には物足りないかもしれません。
彼らの関係がこの後どう変化していくか楽しみにしています。
個人的にはフレデリカさんが好きなので(最近再登場したばかりですが)また登場してくれたら嬉しいなーと思ってます。
この後は少し気になってしまったことです。
他にも書いている方が居ますが、製作シーンで主人公の内心におけるチートの強調が多くてそこが気になりました。
色々と経験することで主人公の能力が向上してきているようですが、このままだとどれだけ成長しても主人公の内心では「チートのおかげ」のままなのではないかなと思ってしまいます。
なのでこの表現のしかたにこだわりがあるのでなければ、もう少し控え目にした方が全体的に読みやすい文章になると思います。
一度気になると読む際に結構気になってしまうもので、こういったところが気にならない人の方が楽しく読めるかもしれません。
恋愛ハーレムものに飽き飽きとしていたところ、ハーレムであっても家族の温かみを感じ、ハーレム感をあまり感じさせないこの物語の続きを、ただ一点を除き、待ち遠しく感じています。
そのただ一点とは、もういい加減チートの説明要らなくない?と思えるほど、チート、チート、チート、と口を開けばチートしか言わないくらいにしつこいと感じ、そのため読みづらさを払拭できず、意識がその説明に持っていかれ、スラスラ読んでいても、突っかかり、気力を削られてしまい、全力で楽しめないことが残念に思えます。
それを除けば、鍛治、家づくり、料理など容易に想像膨らむような描写の表現力や人物たちと面白くサクサク読め、ハートウォーミングというカテゴリーがピッタリな作品です。読んでいたらほんわかします。
鍛治、料理、時々戦闘。異世界ファンタジーでありながら、物作りに重きを置き、その過程がストーリーに密接に関わる異色作。
大多数の物語において、物作りは成果物と主人公を結びつけるためのフレーバーでしかありません。例えば鍛冶屋の物語であれば、重要なのは産み出される剣であって、それを生み出す工程ではないのです。
でもこの作品では、鍛治は常に主人公の暮らしの中心であり、世界との接点であり、そして物語の鍵であり続けます。産み出される剣ではなく、それを生み出す鍛治こそが、物語を紡ぐのです。
淀みなく流れるストーリーの中心に、忌避されがちな地味な作業を据える。そんな難しい試みを支えるのは、異世界ファンタジーならではの設定。あくまで物作りを軸としつつも、細かいところを端折ることで、ストーリーのテンポを落とさないバランス感覚はお見事。
絵空事ではなく、しかしリアル過ぎない。絶妙なバランスで描かれる、物作りと冒険の世界を彩るのは、それぞれ魅力的な登場人物たち。次第に賑やかになっていく主人公の周囲もまた、読む者を楽しませてくれるでしょう。
鍛治が繋ぐ、人と人。絶えることのない槌音が紡ぐ物語を、どうぞお楽しみください。