第146話 トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ その4 わが友シックスショット!編

 さて、ヘッドマスターズ語りも4回目、今回はシックスショットなど、ヘッドマスター以外で目立つ連中をピックアップしてみましょう。そのため、サブタイトルはシックスショットがフィーチャーされた第32話のサブタイをそのままいただきました。


 デストロンの新メンバーである忍者参謀シックスショットは、その名のとおり六段変形ができるトランスフォーマーです。ロボ形態のほか、ジェット機(定番)、自動車(定番)、戦車(ちゃんと砲塔がつく)、オオカミ(デストロン定番)、レーザーガン(デストロン定番)と六段変形します。その上に、ライバルのウルトラマグナスを倒すときには、第七の形態「空飛ぶオオカミ=ウイングウルフ」という形態を披露してたりします。ただ、この第七形態はかなり無理矢理な感じではありました。


 これが、かなりきちんと別形態に変形する上に、武器の取って付けはあるものの、基本的に完全変形なんですよ。玩具でも再現されていて……というか玩具をかなり忠実にアニメ化していました。ちなみに、この玩具はうちの弟も持っていて、私も遊んだりしました……やっぱウチの弟、買いすぎだろう!(爆)


 これだけ多彩な変形ができるためか、忍者キャラになってます。セリフの語尾が「ござる」になってます。むしろアメリカ受けしそうな設定なのに、日本版でのアイデアなんですね。


 前記のようにウルトラマグナスのライバルとして戦い、彼を倒して殺害します。トランスフォーマーは結構死んだ奴が普通に生き返ったり(コンボイ司令官)、新形態になって生き返ったり(ガルバトロン、サウンドブラスター、ツインキャスト)があったりするんですが、ウルトラマグナスの場合はできませんでした。ツインキャストはマスター星の技術で生き返ったのに。


 また、過去にクロームドームの親友を殺害しており、作中でもさらにひとり殺しています。


 それで、クロームドームやダニエルには仇として恨まれていたのですが、終盤になって、そのダニエルと一緒にある惑星で漂流生活を送ることになり、友情が芽生えるという展開になります。このあたり、実に日本的なシナリオだなあとリアルタイム当時から思っていました。


 なお、ガルバトロンには忠誠を尽くしていたのにグランドガルバトロン計画でボディの一部にされそうになったり、メガザラックには言動を疎まれたりしたので、終盤になってデストロンを抜けています。それで、最終決戦では影ながらダニエルに助言を与えたりしていました。


 色々な意味で、ヘッドマスターズの中でも非常に「美味しい」キャラだったと思います。


 お次はサイバトロンに戻って重連合体戦士ライデンに行ってみましょう。これ、前にゴライオンの回やダイアクロンの回で触れたことがある、ダイアクロンのトレインロボの流用です。日本版なので色も変な風に変わらず、元のままだったりします。サイバトロンマークと名前が付いただけですね。電車や機関車に変形する六体のロボが合体してライデンになります。


 何しろ、日本の電車や機関車が元なので、それらとなじみの薄いアメリカ版では登場させるわけにもいかなかったのでしょう。日本制作のヘッドマスターズになったから登場できたし、玩具も売れたのでしょう。


 そして、この変形する電車や機関車が実に微妙という。前にも書いたのですが、トレインロボの初登場は1982年説と83年説があります。で、この時点では「国鉄」がまだ存在していました。


 そして、まさにこのヘッドマスターズが放映開始になる1987年7月の直前、同年の4月に国鉄の分割民営化が行われ、JRが発足したんですね。


 このライデンに合体する六体が変形するのが、0系新幹線(東海道新幹線)、EF65形電気機関車(ブルートレイン牽引)、DE10型ディーゼル機関車、200系新幹線(東北新幹線)、165系急行形電車、485系特急形電車(L特急)というラインナップだったりするんですよ。


 国鉄の赤字が続いていたため、新型電車とかがあまり投入されていなかった時期に作られた玩具なので、その当時の主力車両が選ばれています。なので、できたての東北新幹線に投入された200系新幹線以外は、結構古い車両だったりするんですね。その200系についても、デザイン自体は0系の後期形と大差なかったりします。


 ところが、JR発足が決まったので、この87年の少し前には新型電車が投入されてるんですよ。東海道新幹線は100系、特急電車は185系(踊り子形)など。通勤電車はラインナップに無いんですが205系、近郊形電車では211系など、デザインの新しい車両が投入されているんです。これらのうち、185系だけは81年登場なんですが、それ以外は全部85年登場です。新型電車が出てきている時期だったので、初登場の82~83年頃は気にならなかったデザインが、87年時点だと古く見えてしまったんですね。このあたり、ロボの使い回しにも時代性が出てしまったりするんですね。


 もっとも、これらの大半はJRになった後も使い続けられ、つい最近まで現役で使われていたものや、今でも現役なものがある(485系、EF65形、DE10形)名車揃いではあるのですが。


 作中では強力な合体戦士であるほか、電車・機関車形態で重連接続すると宇宙航行もできたりして、仲間の宇宙輸送の役割も担っていました。この電車だと宇宙飛行可能って、明らかに『銀河鉄道999』のせいじゃないかなとか思ったり(笑)。


 そういえば、分離形態のときのリーダーは0系新幹線に変形するショウキなのですが、作中で敵に「お前正気か?」と言われて「ショウキだ!」って言い返すシーンがあったなあとか思い出したり(笑)。


 ……こいつも弟は持ってましたよ、ええ。ダイアクロンのときに欲しかったけど買えなかったんで、私も遊んじゃいましたよ。


 ああ、ダブルスパイのこと書けなかった。次回で残りの気になるメンバーを総ざらえして締めたいと思います。

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