魔法使い見習いのカキ氷屋#12
「ありがとうございました」
今日最初のお客様でカキ氷屋としての『メトロノーム』では今年最後のお客様が帰って行った後、僕とチョコは仲良く溜息を吐いた。
「これで終わりですね」
「名残惜しいね」
「おや? 始めた当初はカキ氷屋に反対ではありませんでしたか?」
「そうだけど。そうなんだけどさぁ」
チョコは言葉にしたいけれども言葉に出来ないもどかしさに陥っていた。
「夏が終わったという事は、今度は雪まつりですね」
「まだ秋も終わってないのに気が早すぎじゃない?」
「どんな雪像を作るか考えなくてはいけませんし、設計図も必要になりますからもうそろそろ準備を始めないと遅いくらいですよ」
「じゃあ、また『メトロノーム』はチョコ1人?」
チョコはとても寂しそうな表情を見せてきた。
「僕の出番はまだ先ですからしばらくは大丈夫ですよ。だから、捨てられた子犬のような顔をしないでもらえますか?」
「してないからっ!」
理不尽にも僕はチョコに優しく叩かれた。
9月20日 クッキー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます