人狼の警備員#10
「ヘリウムさん、お疲れ様です」
「お疲れ様です。リチウム君も早あがりですか?」
仕事を終えて更衣室で着替えをしていると、今年の4月から警備員となったリチウム君が私に声を掛けてくれた。
「はい。なので、今日はユグドラシルでご飯を食べてから帰ろうと思います」
「ここでご飯という事はインフィニティですか?」
「いえ、定食屋の方に」
「弐本八柳の所ですね。一度行こうと思っていた所です」
「じゃあ、ご一緒しませんか?」
両手を強く握りながら嬉しそうにそう言ったリチウム君だったが私はすぐに回答できなかった。
「ヘリウムさん?」
「あ、あぁ。失礼。折角の誘いではあるのだけれど、今日は妻と食事の予定が入っていてね」
「そうでしたか」
「リチウム君が良ければ次の休み、火曜日にその定食屋に連れて行ってはくれないだろうか? 私とリチウム君の休みが丁度かぶっていたはずだ」
私がそう言うと曇りかけていたリチウム君の表情が晴れた。
「はい、行きましょう!」
その返事はとても元気の良いものだった。
9月8日 ヘリウム
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