恵の定食屋#6

「暑い~」


「ライ、そんな事言っていたら余計に暑くなるよ」


「にゃさけないな、二人とも。ミケは汗ひとつかいていにゃいのに」


 店の中で一番涼しい場所を陣取っているミケはメグたちにそう言い放った。


「ほら、このままグダグダ言っていても余計に暑くなって疲れるだけだからさっさとご飯食べちゃおうよ」


 メグはそう言って8月の新メニューでありお客様からは「遅い」や「やっと出た」という声を頂いた冷やし中華を厨房からテーブルへ運んだ。


「冷やし中華だし、麦茶で良いよね?」


「構わないよ」


「ミケも麦茶で良いと思うにゃ~」


 暑いとはいえ、流石に冷やし中華にアイスコーヒーは合わないだろうと思ったメグとミケはそれぞれそう言った。


「準備も出来たし食べようか」


 ライがそう言うとメグたちは右手のひらと左手のひらを合わせて、


「いただきます」


 と、そう言った。



8月7日 弐本八柳恵

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