人狼の警備員#5

 昨日起こったクーラーの異常停止によってユグドラシルは今日も身を焦がすような暑さに包まれては……いなかった。


「ヘリウムさん、お疲れ様です。使いかけですけど良ければこの清涼スプレーを使ってください」


「ありがとうございます。でも、本当にお疲れなのは世渡さんではないですか?」


「そんな事は無いですよ。僕は偉そうに指示を出していただけなので」


 世渡さんは謙遜しながらそう言ってはいたが、ユグドラシルの人員をたった一人で的確に動かして、ユグドラシル中のクーラーを修理しながらユグドラシルを通常通り営業できるように立ちまわっていたのを私は知っていた。



8月4日 ヘリウム

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