魔法使い見習いのカキ氷屋#5
「ちょっとあんた達! 師匠使いが荒すぎやしないかい?」
「師匠、愚痴は後で聞きますから手を動かしてください」
「こんな事ならヨウカンも呼ぶんだった」
夏休みに入りただでさえお客様が多くなると予想されていたユグドラシルには外の暑さに耐えきれずクーラーを求めてやって来るお客様も加わってどこを見ても人で溢れていた。
中でもカキ氷を売っている僕らの店には帰省ラッシュ時の空港を思わせる行列が出来ていてとても二人では店を回せそうになかったので師匠に応援に来てもらっていた。
「クッキーくん、マンゴーシロップ売り切れたよ」
「はいよ。師匠、拡声魔法お願いします」
「仕方のない子だね。はい、どうぞ」
「申し訳ございません。マンゴーシロップの方は売り切れとなりました」
僕が師匠の拡声魔法を受けて拡声器を使ったようなほど大きな声でそう言うと列から100人ほどが離れたがそれでも列が極端に短くなる事は無かった
「嘘でしょ」
「そんなぁ」
売れ行き的に人気のシロップが無くなってもほぼ変化が見られない列に僕とチョコは絶望、師匠は無言で『HELP』と書かれた紙を鳥の形に折って魔法でどこかへ飛ばした。
8月2日 クッキー
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