アンドロイドの靴屋さん#4
「いらっしゃいませ。お疲れ様です」
目の前にいる生命体が所有しているIDパスと生命体自体の外観データからユグドラシル警備部所属の人狼という種族に該当するヘリウムだと断定したアンドロイド9283-04はプログラム通りにそう発言した。
「お疲れ様です。仕事で履く革靴を探しに来たのですが」
「お仕事用の革靴ですね。ヘリウム様のお仕事に適した革靴ですと店内在庫とオーダーメイドの二種類からお選びいただくことが可能となっております」
「それぞれのメリットとデメリットを教えていただけますか?」
「かしこまりました。店内在庫は安価ですが、当店での修復作業を行う場合は最低限の修復しか行うことが出来なくなっております。オーダーメイドは高価ですが御靴の三分の一以下までの損失であればデータベースに記録された情報から完全修復が可能となります」
「なるほど……」
悩んでいる様子のヘリウム様の心理状態からアンドロイド9283-04は店内在庫とオーダーメイドのどちらをお勧めするかを検索した。
「高価ではありますが、ヘリウム様にはオーダーメイドをお勧めいたします」
「それなら、オーダーメイドにしてみようかな」
「ありがとうございます。では、ヘリウム様オーダーメイドルームの方へご案内いたします」
アンドロイド9283-04はヘリウム様との会話データをオーダーメイド業務担当であるアンドロイド9283-05へ転送し、業務をアンドロイド9283-05へと引き継いだ。
7月27日 アンドロイド9283-04
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