妖狐のケーキ屋さん#4
「美味しそうなチェリータルトが並んでいるじゃない」
「いらっしゃいませ。お褒めいただきありがとうございます」
今週のケーキであるチェリータルトを恍惚とした表情で見つめる女性口調でガタイの良いダークエルフの男性におれは感謝の言葉を告げた。
「流石こんなタルトを作るパティシエね。サッギタリウス様ほどではないにしても素敵な顔立ちだわ」
ダークエルフの男性は俺の顔を見つめて恍惚とした表情を見せた。
「おれの顔に何か?」
「いやん。『おれ』ですって。『俺』でも『オレ』でもなく『おれ』。良いわ。素晴らしいわ。決めた! ワタシこのチェリータルト13個買わせていただくわ」
「ありがとうございます」
おれの何が彼の心を刺激したのか全く見当がつかないが、ダークエルフの男性は宣言通りチェリータルトを13個買って行ってくれた。
7月23日 キリマンジャロ
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