season3

　ユグドラシルのセンターホール付近に堂々とそしてひっそりと店を構えるパン屋『NINJA』には豊富な種類のパンがあり、パンは全て店内で食べて行くことが出来る。

「シャープさん、今日のおススメをください」

　常連のお客様であるナツキという男性にそう注文されたわたしは今日店に出しているパンの中で最も自信のあるパンを出した。

「これは、豆パン？」

「豆は豆でも枝豆パンです」

「枝豆。いただきます」

　今日の渾身の一品を口にしたナツキさんは目を見開いて驚いた。

「生地の塩味がほどよく効いていて枝豆の美味しさを引き立てていますね。それに加えて他のパンとは違う生地のモチモチ感が最高です」

　ナツキさんは枝豆パンの感想を告げると枝豆パン6個分の料金をわたしに渡してきた。

「枝豆パン5個持ち帰りで」

「かしこまりました」

　わたしはそう言って早急に持ち帰り用の袋に枝豆パンを5個入れてナツキさんに渡した。

「ごちそうさまでした」

「ありがとうございます。またお越しください」

7月1日　シャープ

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