エルフの焼き鳥屋#2

 ガラリとドアが開き見知った老人が店に入って来た。


「いらっしゃい」


「相変わらずガラガラだな。この店は」


「奏吉さん、それはあんたの来る時間が早いからだ」


 私はユグドラシルの初代オーナー不知火奏吉にそう言い返した。


「冗談だよ。そう怒るなよ」


「怒っていない。注文は?」


「カワの塩を5串」


「わかりました」


 カワ串を5串炭火で焼いていると、カウンターに座っている奏吉さんが子供のようなキラキラとした瞳で焼き上げられる串を見つめていた。



4月18日 アロエ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る