おかしの駄菓子屋#1

「忘れもしない5年前のハロウィーン。初めて異世界を繋ぐゲートをくぐり人間界へやって来たジャックことジャック・オー・ランタンはおかしの国に住んでいたジャックでさえ知らないお菓子と出会った。それが……」


「んぐっ?」


「今まさに君たちが食べている駄菓子だ。ジャックは駄菓子の魅力に惹かれて人間界にあるありとあらゆる駄菓子を買い集めた。そして集めるうちにジャックは驚くべきことに気付いてしまった。駄菓子というのは安い! 安すぎるくらいに安い! 高くても精々200円という安さにジャックは感動した」


「どーして?」


「ジャックの夢はおかしで世界を笑顔にすること。子供でも手軽に買えて笑顔に出来る駄菓子ならその夢を叶えることが出来るかもしれないとジャックは思ったからだ。そしてジャックは夢を叶えるために駄菓子屋を始めた。それがこの駄菓子屋ジャック。そして、君たちの目の前に居るこの男こそジャック・オー・ランタンだ」


 紙芝居の最後のページをめくったジャックが最後に両手の親指で自分を指差すと、買った駄菓子を食べながら紙芝居を見ていた子供たちはジャックが夢に見ていた笑顔を見せながら盛大に拍手をしてくれた。



4月13日 ジャック・オー・ランタン

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