ドワーフのおもちゃ屋さん#11

「世渡! 申し訳なかった!」


 俺は床に額をこすりつけるようにしながら誠心誠意謝罪した。


「アンザンさん? いきなりどうしたんですか?」


「サファイアから聞いた。俺の客に対する対応が悪くて世渡に迷惑をかけたみたいだな」


「迷惑なんてことはありませんよ。だから頭を上げてください」


 世渡は俺の身体を無理矢理起き上がらせた。


「世渡、俺の判断は正しかったのか?」


「オーナーという立場からは何とも……。ただ、僕個人としてはアンザンさんの判断は正しかったと思います。僕もサファイアくんを引き抜かれるのは嫌なので」


「そうか、そうだよな」


 俺がそう言うと世渡はとても穏やかな笑顔で笑って見せてくれた。



3月29日 アンザン

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