龍人の料理店⑧
「なにこれ~~~」
理科は生まれて初めて出された料理に対して疑問を抱いた。
「うわぁ、美味しそうでございますね」
今週からインフィニティでウエイトレスとして働くことになった龍人族のミリンちゃんは理科と同じ料理……鮮やかな青色と緑色をした刺身のような生ものが白米の上に乗ったどんぶりを見て理科の抱いた感想とは真逆の感想を告げた。
「新鮮な空中魚が手に入ったので作ってみたのですが、理科さんはボクらの世界の料理は初めてでしたか」
「そだね~~~」
「理科ちゃん、この料理は人間界で言うところの海鮮丼のようなものでございますよ」
「海鮮丼ね~~~」
人間にとって青色というのは食欲減退食でありあまり食品に用いられる色ではないけれど、それを理由にこの料理を食べないのは作ってくれたソルトさんに申し訳が無いので理科は食べる決意をして醤油を手に取った。
「理科さん」
「これを食べるときは醤油じゃなくてソースがおススメでございますよ」
「そうなんだ」
ソルトさんとミリンちゃんに言われたので理科は醤油を置いてソースを龍人族の海鮮丼にかけて一口だけ食べてみた。
「美味し~~~い」
見た目に反し、つい叫んでしまうほど想像を絶する美味しさに理科はソルトさんとミリンちゃんの目も気にせず一気に食べてしまった。
「ソルトさん、また作ってください」
「喜んでいただけたようでよかったです」
ソルトさんは笑顔でそう言い、その横でミリンちゃんが龍人族の海鮮丼を美味しそうに頬張っていた。
3月9日 旋風理科
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