龍人の料理店②

「疲れた~~~」


 本日最後のお客様を見送り店内へ戻ると、ユグドラシルのオーナーである不知火世渡さんの紹介で今日一日この店のウエイトレスとして働いてもらった旋風理科さんがそう呟いていた。


「理科さん、本日はご苦労様でした。軽い食事を用意するので適当な所に座っていてください」


 ボクはそう言ってキッチンへ向かい、本日の営業で余らせてしまった食材を使ってオムライスを作った。


「お口に合えばいいのですが」


「いただきま~~~す」


 美味しそうにオムライスを口に運んでいる理科さんにボクはある疑問を投げかけてみた。


「今日一日インフィニティで働いてみてどうでしたか?」


「単純に疲れたかな~~~。昨日まで1人で切り盛りしていたことを尊敬するくらい」


「この店では今日のような日が毎日続きます。もし良ければボクから他のお店をご紹介することも出来ますが」


「理科はこのお店がいいな」


 ボクはその言葉に驚いた。


「凄く疲れたって事は、その分お客様を笑顔に出来たって事でしょ? それに毎日やっていれば嫌でも慣れるだろうしさ~~~」


「決めました。理科さん、あなたをインフィニティのウエイトレスとして雇いたいと思います」


「は~~~い。よろしくお願いしま~~~す。ソルトシェフ」


 ユグドラシルにお店を出してから20と7年。インフィニティに初めてウエイトレスが誕生した。



1月19日 ソルト

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