第76話 みゃーこのステータス ☆

 ダンジョンの脱出を決め、それに向けて歩き始めてから体感で10分ほど経った時、後ろにいるフランさんがおもむろに口を開いた。


「みゃーこちゃん、さっきの変貌はどこで習得したのかしら」


 僕がみゃーこに白虎化のことを聞けなかったのは、度々起こる魔物とのエンカウントの際に僕が戦闘をこなしていたからだ。


 フランさんやみゃーこと交代で戦った方が危険が少なく、比較的安全に帰れる確率は高くなるのだが、ナビー曰く、スキルはレベルアップでも微量ながら成長するが、効率を重視するのならば伸ばしたいスキルを使いながら戦闘をすることが一番らしいので、僕が付与魔法を使いながら戦っている訳だ。


 そして、その付与魔法の使い方は至ってシンプルな物だった。付与したい物に付与したい現象を思い浮かべ、それに見合った量の魔力を込めるだけでその現象が発現する、といった想像力次第でいくらでも汎用が効く優れものだ。


 しかし、やはり付与魔法にもスキルの熟練度が大いに関係しており、その現象が余りに高度なものとなると、消費魔力はもちろんのこと、それ相応の熟練度も必要となってくる。


 僕がカイトの炉に付与したい事柄は、結構高度な現象だと思われるのでここでレベリング兼熟練度稼ぎを行なっていけば、もしかしたらカイトの家に着く頃には実現可能になっているかも知れない、という希望的観測混じりの魂胆だ。


 そんな事を考えていると、後ろでみゃーこがフランさんの質問に答え始める。


「最初は誰かの声が聞こえて……その声に言われるがまま従っていたら、気付いたらダンジョンで魔物を狩ることになっていたにゃ」


 誰かの声とは十中八九、ナビーの事だろう。おそらくみゃーこは気付いていないようだが。


「それで変化へんげの仕方を?」


 みゃーこはその質問に首を振り、「もう少し先があるにゃ」と前置きをしてから、


「それで何回もご主人様の目を盗んで潜っていたら、急にステータスが見られるようににゃったのにゃ」


 みゃーこはそう言うと、



【ステータスオープン】


 名前 みゃーこ


 種族 動物族


 グレード2

 レベル7


 HP 927/927

 MP 0/0

 STR 597

 DEF 483

 INT 492

 AGI 1057

 CHA 1083

 LUK 80


 スキル 白虎化 15/100

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