Chapter8 『遅刻予定のアポイント』 8-10

「聖が何を望んでいるか・・。」


「封印を解くつもりじゃないのか?」


「あの日、起こったことから、避けて来たはずだった。」


「だが、それが欠片に関わることだと。


あいつは思っている。」


「違うか?」


(橘の灰色の瞳は、一瞬曇った。 しかし、すぐに穏やかな笑みを浮かべ、

いつもの温かさで見つめた。)


「晃様、私は、聖様を悲しませる様にはしとうございません。」


「誰の笑顔が、聖様を幸せにするのか。」


「誰より、存じております。」


(橘は微笑んだ。)


『橘は、俺には忠誠を示さないだろう。』


『それでも、橘の言葉は、本心だと思えた。』


「俺も力をつくす。」


(晃の黒いスーツが揺れ、FOT No.2と刻まれた、

金色のバッジが光る。)


「新しい街を守るために、


誠司も、力を貸してくれるだろう。」

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