Chapter8 『遅刻予定のアポイント』 8-8

(ファイルを開いた橘の、丸い眼鏡の奥の瞳が。 驚きに見開く。)


「風見市長・・、春日誠司様。」


「誠司?」


(晃も言葉に立ち止まった。)


(昔、良く知る人物だったからだ。)


「誠司が、風見市の市長なのか・・。」


「ああ。 話が早くて良いだろう。」


(聖は微笑んだ。)


「聖様は、ご存じで、この街を選ばれたのですか?」


(橘は、資料を手に、驚きを隠せなかった。)


「いや、偶然だよ。」


「でも、この街で、何かが起こると思わないか?」


(聖の金色の瞳が、宝物を見つけたように、明るく煌めいた。)


ガチャッ


***


「行ってらっしゃいませ!」


「行ってらっしゃいませ、聖様。」


「行ってらっしゃ~いv」

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