Chapter6 『執事の本音』 6-2

風合いのある木の手すりが、温か味を感じる。)


(晃にとっても、心落ち着く場所だった。)


チチッ チチチッ


(窓の外の小鳥の声に、少しゆがんだガラス窓へ振り返る。)


(柔らかな朝の光が、差し込んでいた。)


「・・あいつは、危ういところがある。」


『夏樹は、あいつには無防備だ。』


『“闇化”を防ぐ方法を見つけるために。 夏樹は欠片を集めると決めた。』


「彩の警告も、通じないだろう。」


「やっかいな問題にならなければいいが。」


『・・また俺が、手綱を握る羽目になる。』


(晃は一人冷静な自分を悔やんだ。 上着のポケットに手を入れ、苦笑し、

朝の香りのするダイニングへ向かった。)


***


カチャッ


「千波ちゃん。 朝食の時間かい?」


(聖は、デスクにもたれ。 アンティークの受話器を手にした。)


[「おまたせv 夏樹がお風呂に行ったから。 もうすぐ。」


[「ダイニングに下りてきて。」]

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