IN BLOSSOM

作者 月ノ羽衣

35

13人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

誰かを好きになる。恋愛対象として好きになったら、自然と相手の身体も求めるようになる。それが、所謂、世間的に考えられているところの一般的な恋愛。

『それだけが愛の形じゃないけどね』

みんな、口では一応のところマイノリティーな愛も肯定する。でも、心の底からそう思えている人は果たしてどれだけいるのか。そう思ってしまうくらいには、現状はまだまだこの世俗通念的な愛の形がやっぱり根強い力を持っていて、目に見えないところで静かに蔓延っている。偏見という呪いを本当の意味で綺麗に拭い去ることは、たぶん難しい。醜いけど、これも紛れもない現実なのだとおもいます。

だからこそ、一般的な愛というやつと自分との間にズレが生じていても、中々言い出せずに苦しんでしまう人もいるのではないでしょうか。本当は随分とそこから逸れてしまっているのに、そのことに対してみんなと同じように感じられない自分の方が間違っているのだと傷ついてしまう。

この物語は、そうやって心を軋ませてしまっている人に是非読んでほしいお話です。きっと、胸を浄化するようなやさしい救いが訪れるはずです。

本来、物事に対する受け取り方や感じ方は本当に人それぞれで千差万別。このお話は、愛の形も、自分が想像している以上にずっとずっと豊かなのだと思わせてくれます。

物語が内包しているテーマはずっしりと重く胸に突き刺さってくるようですが、健気で明るい李羽ちゃんの語り口調はとても読みやすく、二次元への愛を親友たちにハチャメチャに語り倒しているところなんかはくすりと笑えます。そんな彼女にはとっても好感が持てますし、彼女を取り巻く三人の親友たちもみんな本当に本当に素敵です。彼女たちの瑞々しい会話は、高校時代を懐かしませて愛おしませてくれます。

読み終わった後、心に一輪の花が開くような素敵な物語をありがとうございます。ころもさんの紡がれる作品が本当に… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

私は男ですので、あまりに想像できない複雑さがあって、全てを理解するには足りないかもしれませんが。
ただ言えることは、主人公は自分の恋の仕方、愛の在り方の形をとことんまで突き詰めていってるなぁ、ということでしょうか。
すごく傷ついて、でも、未来に向かって歩けるのは、とても尊いことだと思います。
どんな形でもいいですので、彼女に素敵な未来があることを願います。

主人公の友人ズが、一人漏れなく素晴らしくいい女なのも好印象であります。

★★★ Excellent!!!

この作品は序盤からすごく気になっていました。
私も女性を(も)好きになるからです。
ノンセクかと言われればそうでもない人生だったのですが、今はそうかもしれません。できればいろいろ避けたかったりします。

私が女性を好きだということは、いろんな人に言っていますが、あまり信じられていないようです。冗談だと思われているのでしょう。
というか、話を逸らされます。悲しい。
もっと彼女のことをしゃべりたい、っていつも思っていたような気がします。

季羽が自分に重なって、でもなにか懐かしい気持ちになりました。
ただ近くにいられたらいいんですよね。できるなら隣に。
それだけなんです。

女性が好きな女の子や、ノンセクな女の子は見えないだけできっとたくさんいると思うんです。
そういう子たちにこの作品が届けばいいなって思います。
もちろん、理解したいと思ってくれる人にも。

★★★ Excellent!!!

読んでいてすごく苦しくなりました。

私もノンセクでバイセクシャルなのですが、私の初めて好きなってお付き合いした男性がまさにあんな感じで「好き=付き合う=性行為」って感じでした。

「あー、こういうものか。」って流されているうちに気持ち悪さはつのって会いたくなくなる。でも好きだから近くにいたい。だけど触れられるたびに嫌いになる。

ちゃんと好きなのに。嫌いになんてなりたくないのに。心は彼から離れていって自分の気持ちが信じられず恐ろしかったです。

あの頃の私を見ているみたいで切なかったです。