昔のお話⑦

どれくらい、ぼんやりしていたでしょうか。

頭の中がパニックで、とにかくなにも考えられなかったのです。


不意にZくんから声をかけられてやっとホラー映像が終わったのだと気付きました。


終わったことにひとまず安堵して、なにを話したのかあまりよく覚えていません。


でも、話の流れが「Zくんの興奮してしまった下半身の処理」をどうするかという方向に進んでいました。


私が自分からするといったのでしょうか?相手に無理やりやらされたのでしょうか?


私はただひたすら言いなりになって彼の裸の膝の上に座り込んでいました。

ズボンと下着は彼の足首にかかっていて私のお尻の後ろにありました。

私が脱がせたのでしょうか?彼が自分で脱いだのでしょうか?


自分の手が彼の性器に伸びていました。

3次元の感触。

生ぬるくて質感のある触感。


私がそれを、どう扱ったのかはもう覚えていません。


すごく忘れたかったんです。

人間忘れようと思えば本当になんでも、忘れられる生き物なんですよ笑


今となってはどうやってその後が終わって、彼が帰ったのかすら覚えていないのです。

時の流れとは偉大なものですね。笑


その時彼の性器を掴んだ自分の気持ちも曖昧なままです。

彼に無理やりやらさせたのか、自分からやると言ったのか。

もしかして、私は自分もやってみれば理解できるかもしれないという淡い期待を抱いてしまったのか?


ただただとにかく私は普通になりたかった。

普通じゃないものになりたくなかった。

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