第6話

「そう言えば、貴船神社で丑の刻参りのワラ人形をカーン!カーン!と五寸釘を打つのをやるけれども、貴船神社は『縁結び』の神様なんだよなぁ。『悪い縁を結ぶ』のに使うんだからある意味で正当な使い方だな」

と、煙草の煙を吐きながら俺が言う。

「そうなんですよ。持衰は、お足を貰い呪いをその方の代わりに受けることが仕事なんですよ。戦争中だと兵隊さんに弾が当たらない様にとか、戦艦が沈まない様にとかに使っていたんですよね。だから戦艦大和とかは、持衰を閉じ込める箱を舟の弾薬庫の上に置いていたんです。それに持衰を使うと防弾性能を軽く出来るんで軽量化も出来て一石二鳥だったと頭が話してました。」

一気に話しを継いだアユミは、残り少ない湯呑みの玉露を飲み干してニッコリと笑う。


顎に手を遣りながら斎木爺が

「なるほど、だから日本の兵器は、防弾性能に手を抜いたのが多かったのですか・・・、戦争初期は、日本は大勝利が続いていましたが中頃から駄目になったのは、持衰の力が使い過ぎで衰えたからかのう?」


「いいえ、優れた持衰はそれぐらいでへだったりはしません。『第二次大戦はピースサインの魔力にやられた』と頭が話していました。あの戦争はある意味で『魔術大戦』だったんです。」

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持衰(じさい) 牛耳 @usimimi

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