第279話 皇帝健太と戦士カーン(1)

「うぉおおお~! 絶対に貴方にルインは渡さない! 今日から彼女は王である僕の物だぁあああ~! だから今後彼女に触れ触ることは皇帝である僕が許さない! わかったぁあああ~? カーン!」と。


 自身の可愛い女顔の面影すら、もう過去の栄光となりつつある今年の祭典の最大のアイドル……。



 オークのアマゾネス達のアイドルとなった少年……だけではないか?



 この地の数あるオーク種族の女王や酋長達の財産や宝にもなった珍しく貴重な象牙色の肌を持つ大変に大人しい少年……。




 そう、健太がね? 比の国の元国王であり。今は自分の所有物になった女王ルインを絶対に渡さない。



 ……だけではないのだ。


 自分の財産である女王ルインに触り触れることも三カ国の王……。


 いや、彼は? 古の大英雄である中華を統一した王である始皇帝政の如く振る舞いで、『王』の上の『王』である皇帝を名乗ってみせる、だけではないね?



 皇帝健太が女王ルインに触れ触ることを……。彼女に指一本も触れることを許さないということは?



 皇帝健太は、オーク種族が今迄掲げ、象徴、崇拝をしていた女王主義──。女尊男卑は今後許さない。


 だから自分の妃達……。



 そう、妃達のことをオークの漢戦士達が、男の性を丸出しにして邪な感情や思い出見て触れ触り交わることも許さないと。男尊女卑を主張したのだ。


 でも皇帝健太が、自分の妃達に触れ触り交わることを許さないと告げたのは比の国カーンだけではなく。

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