第189話 僕の嫁はオークの酋長達……(13)

 そんな様子の妻……。格闘相撲大会が始める以前と、只今試合がおこなわれている最中の妻の様子……。


 この極端な変貌ぶりを格闘相撲大会の試合の最中の彼女の夫である比の国の王カーンが度々見て確認をすれば?


 只今我等が説明をした通りで、彼の足は止まる。


 と、言うよりも~?


 オーク種族最強の戦士の一人であるカーンの健太(白馬の王子さま)への攻撃はとまる……どころではなく?


 只今の彼の様子……。カーン自身が顔色を変え動揺をしながら。自身の妻であるルインの様子を呆然と見続けてしまう。


 だってさぁ~? 彼女の妻……。


 そう~? 比の国の女王ルインは~? カーンの妻的振る舞いで試合の流れを見ているようには。彼の瞳には映らない……と、言うよりも? 我等の目にも映らないのだ。


 だって彼女は今も~?


「あなた~。早く~。逃げて~。お願い~!」と。


「カーン~! お、お願いだから~。家のひとに~。これ以上~。荒々しい行い~。暴力をくわえないで~。お願い~。お願いします~」


 と、嘆願……だけではなく?


「エ、エリエ~! エリエさん~! お願いだから~。この試合をとめて~! お願い~! これ以上~。試合を続けると~。家のひとが死んでしまう~。だから~。お願い~。試合をとめて~。エリエさん~! お願いだから~!」と。


 比の国の女王ルインは相変わらず泣き叫びながら嘆願……。


 それも? 他人の目などお構いなしにね~。


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