第167話 健太とウォン(10)

 そう~? 健太が戦士シンに対して一度でも、抵抗を試みたりするようならば。彼女も憤怒して健太を王候補から除外することはなかったと思われる節がある。


 う~ん、でも~? 健太は~? 戦士シンに対して、男らしく抵抗を試みることをしないで泣き叫び~。戦士シンへと、自分自身に酷いことをしないで欲しいと嘆願……。


 と、言うよりも~?


 最後は戦士シンに対して、土下座までして詫び……。自身の助命嘆願までする始末……。


 だから女王アイカの逆鱗に触れ。愛想を吐かされた。


 でッ、その後は? 女王アイカは元彼氏──。婚約者であったウォンへと急接近……。


 今の状態へと至っている訳でね~。その時のことを健太は未だに後悔をしているのだよ~。


 特に今日のオークの祭典……。国を挙げた年に一度の大きな祭典で、女王アイカの横……。王の位置を他の男に盗まれる失態をした訳だから。


 彼は前回の汚名返上……。もう一度女王アイカ(自身の妻)の横に胸を張り立ち並ぶ資格を得る為にも。


 此の国の女王アイカと一族の女性達の諫めや嘆願を聞く訳にはいかないのだ。


 いくら相手が、健太のライバルであるウォンの、最大のライバルである比の国の王カーンだとしてもね~。臆する訳にはいかない~。




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