第127話 祭典(4)

 女王である自分自身が、一族に貧相な健太がいることが恥ずかしいからといって。彼を自身から遠ざけるのもどうか? と、我等は常日頃から不満に思っている。


 だって~? 未だ健太が『此の国の王』になる可能性はある訳だからね。


 だって~? 次期王候補の健太……。


 まあ、仮に? 元王候補であったウォンを交えても。丞相であるシルフィーの根回しにより。今の此の国の次期王に最も近いのは健太──!


 彼を推す領主や豪族……。


 まあ、此の国の酋長達が多いいのだよ。


 なのに? この祭典での女王アイカの健太への扱いはどうかと思うぞ~?


 此の国と同盟を結ぶ他国の王や女王……。領主、酋長達に、次期王になる可能性が大な健太を紹介してまわる訳でもなく。自身の横には相変わらず、前回……。


 というか?


 ここ数年の祭典の覇者であるウォンを自身の横に、此の国の王が如く、仲良く二人並んで、高貴な来客者達へと挨拶をしてまわる始末だから。我等は女王アイカとは逆に、彼女を凝視しては、『はぁ~』と、溜息……。落胆している始末なのだよ。


 う~ん、それこそ~?


 次期王になる健太へと喝──!


 それこそ~? 物申してやりたい~。


『健太~! 女王アイカは、君の妻になるのだから~。少しはガツン! と、怒号──! 自分のことを侮り~! 蔑ろにするな~! この馬鹿~。妻が~!』と、言ってやれといいたくなる。


 今の女王アイカの様子を遠目から見ているとね~。


 まあ、そんな自分の妻(財産)だと、もう告げてもよいほど一緒の屋根の下で暮らしている我等が健太はというと?



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