第54話 アイカの落胆(その二)(30)

 すると女王アイカの横で並び立つウォンは、一応念を込めて──。再度女王アイカへと訊ねる。


「いいのか~? アイカ~? お前とこのチビは泣きながら。シンとの相撲をとることを取り消して欲しいと嘆願をしているぞ~」と。


 この後、女王アイカから自分自身へと、どんな台詞が返ってくるのか?


 彼女の従兄であり。元彼氏で婚約者でもあったウォンなら易々とわかる筈なのに。

 わざわざ彼は、自身の思案をした邪な策……。


 離反の計へと陥っている女王アイカの健太への不快感と嫌悪感──。弱者過ぎる次期王への怒り──!


 そんな彼女の様子を再度健太に見せる為に訊ねるのだよ。


「ウォン別に良い……。今の私は、健太を見ていると、不快感しか募らない……。見触りだから早く。この軟弱な男を私の目の前から遠ざけて欲しい……私の気持ちが悪く手仕方がない……。だからシンの許へと、この軟弱男を連れていって欲しい……頼むから……」と。


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