第35話 オーク種族に古くから伝わる習わし事(4)

彼の今の様子を見て確認をすればわかる通りだ。


今日は此の国の男王さまに警護がいない状態だから。


彼の背、後ろには沢山のオークの麗しいアマゾネスが控えていると、言うか?


連なり、連隊となり前進──歩いているのだ。


今から戦場にでも行くような様子でね。


だから他国からきた訪問者、来客は、大きな篭を両手で抱え、先頭を歩く健太と。


彼の後ろついて歩くオーク女性、アマゾネス達の様子を凝視して。


「何だあれは?」と。


自身の両瞼を大きく開けながら言葉をもらせば。


彼女に従いついてきた臣下の者達も。


「さぁ、何ですかね、女王陛下?」


「私にもわかりません?」


「今から戦場でもいくのではないですか?」と。


各自各々が声を漏らせば。


「よ~し! 面白そうだ! 私もついていくぞ!」と。


多の国の女王ライは、興味津々に目を瞳を輝かせながら、嬉しそうに言葉を漏らせば。


「嘘でしょう?」


「辞めてください! 陛下!」


「此の国の女王が首を長くして待っていますから。早く行きましょう。陛下!」と。


多の国の女王ライの臣下の者達は、彼女を諫めるのだが。


聞く耳持たない。


多の国の女王ライなのであった。



◇◇◇



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