第9話 男王になれなかった漢の邪な策(1)

(さてさて、どうしたものか?)と。


己の脳内で呟くウォンなのだが。彼は、自身の横、少し離れた位置で、「すごい!」、「すごいですね!」と、少女のように甲高い声音を吐き、漏らしながら格闘相撲の練習、試合を観戦しながら歓喜を吐き、漏らしている。男王健太のことを横目でチラチラと凝視しては。


(本当にウザイ)、


(うっとおしい)、


(邪魔なガキだ)、


(この場からいなくなれ)、


(そう、今直ぐ死んでいなくなれ)と。


ウォンは健太に対して嫉妬、憎悪、殺意を抱きながら凝視──。


何とか健太をこの場で皆の……。



そう、女王アイカや丞相シルフィー、エリエにウルハと。その他、この場に多々いるオークのアマゾネス達の笑い者、情けない者。嘲笑いの対象になる策。邪な策を思案している最中なのだが。


そんな悪しき策の思案の最中に辺りを見渡し確認をしてみると。此の国の男王健太──。大はしゃぎをしながら格闘相撲を観戦している彼を間に挟んだ状態で、さり気なく。ガンのつけ合い。飛ばし合、ではないが? 不満、不快のある表情で、さり気なく睨み合いをしている。続けている。


女王アイカと、彼女の義理の母であり。此の国の丞相であるシルフィーの様子を(相変わらずだな。あの二人は……)と、鼻で笑いながら。これまたさり気なく見詰め。何かしら良い案がないか? と、ウォンは邪な策を思案し続けるのだよ。


此の国の男王である健太を陥れる為の悪しき策をと、説明したところで、この親子……。




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