第137話 酋長の懸念…… (27)

 始めると彼女……。


 まあ、アイカお姉さまなのだが、自分が健太君へとしてしまった妻らしくない振る舞いに対して、更に罪悪感に陥るのだよ。


 だから自然と彼女の口から。


「ご、ごめんね。健太……。私を許してお願いだから……」


 と、言葉が漏れてくる。


 でッ、その後は今更の如く、健太君に抱き付き泣き叫びだすのだ。


「頼むから健太ぁあああっ! 目を覚ましてよ。お願いだからぁあああっ!」


 と、本当に虫の良い様子でね……。本当に今更なのだが。


 でもさ、アイカお姉さまが今更の如く泣き叫びしたところで。この状態は、健太君が住んでいた日本の恋愛映画やドラマ……。マンガにアニメ、小説の世界ではないから、健太君の目は明かないのだよ。


 と、なると?


 どうやら彼は、手遅れだったのかな?


 と、いうよりも? ウォンに物々しい暴力を一方的に受けていたから、打ち所が悪かったのか? 健太君の骨と内臓は、体内でバラバラに砕け散っているのかも知れないね?


 まあ、そうならば、二度と健太君は目を覚まさない可能性がある。


 う~ん、でも?


 いくら健太君がそんな悲惨な状態でも、彼の自称妻……ではないか?


 傍から見ている者達がふと気がつけば。健太君の周りにアイカ姉妹だけではなく。ウルハお姉さまを筆頭に、健太君の傍には、彼の妻達が無言で集まり。彼に『愛情』と言う名なの気を送り始めているのだ。


「あんた死なないで……」


「うちらの許に帰って来て、あなた……」


「私達をおいていかないでよ。健太……」


「あぁ~ん! あぁ~ん! 健ちゃん~。頼むから行き帰ってよ~。お願いだから~」


 まあ、こんな言葉……。目を覚まさない健太君に、自分達の許へと帰ってきて欲しいと要望と嘆願が、辺りから多々聞こえてくる。


 アイカお姉さまの、「ごねんね、健太~。許してお願いだから~。もう二度とあなたを蔑ろにしないから~。目を覚ましてよ。あなた~」と、健太君への懺悔の言葉と一緒に聞こえてくる。


 それでも健太君は目を覚まさない。


「プラウム変わりなさい!」



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