第250話 集落の危機! (12)

 もしかして、レインも同じなのか?


 僕が余りにも貧弱で弱々しい存在だから、頼る事もできない男だと思って。もうどうにも出来ないと諦めているのだろうか?


 もしも、そうなら? 本当に悔しくて仕方がない。


 それこそ? レインがこの砦で、『健太! 一緒に死んでくれないかな?』と、言ってくれれば。


 僕は『うん! 分かったよ!』と、笑いながら喜んで言える覚悟もあるのに……。


 な、なのに、みんなは僕を最初からダメな男だと決めつてくる。


 僕は本当は、みんなを心から救いたいと思っているのにね。


 それと? 僕自身も生まれ変わりたいと思っている。


 僕はこの領地に住む人達には告げてはいないけれど。本当ならば僕は、オークの酋長の夫なのだから強くなりたいと思っている。


 だから僕に寄り添い、頭や頬を撫で労わってくれているレインに。


「い、いやだよ。僕はレインと離れたくはないよ。それに、みんなを置いて逃げたくはない……。だから、死んでもいいからここに残るよ。レインやみなさんと一緒に……」


 と、言ったところで、俯いている自身の顔を上げたよ。


 もう、僕自身、俯き下を見ながら歩きたくはない。


 と、僕自身思うから。


「ねえ、いいでしょ、レイン?」


 僕は凛とした顔で、レインに力強く告げたのだ。




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