第64話 長の苦痛…… (6)

「いいから放せウォン。今はまだ駄目だ。これ以上しつこいと、集落の掟にしたがって罰するぞ」


 先程迄色情しながら女をしてい私だが今は違う。長に戻り集落の掟に従うようウォンに憤怒しながら、これ以上は私に触れないようにと諫めたのだ。


「……ん? どういう事だアイカ? 今は駄目だとか、掟に従えって……まさかアイカお前は……。あのチビの子がお腹にいるのか?」


 ウォン……私の話しを聞き察してくれたようだよ。だからこれ以上彼とは揉める事もないとは思う……。


 う~ん、ウォンはでも、私の話しを聞いてかなり驚いているし。かなり動揺もしているようだ……。だってこのウォン《この人》は、私の幼馴染でもあり。初恋……将来結婚の約束をした仲なんだよ。


 だから嫉妬というか……。健太を集落の男達が苛め回していたのも、みなウォンの命令だと私は知っていたの。だから見て見ぬ振りをして通しもしたのだが。つい最近はかなり行き過ぎでもあるし。本当に健太が死んだら大変だからと今日も二人っきりなって話しをしていたら。『ズルズル』と、こんな感じになってしまったよ。


 だから言い訳等しない……。実際初恋の相手──多分未だに好きなのだと思う?


 でもね、ウォンに好きな女──そう、健太を召喚したエルフの女が現れたから、私は降られて、代わりに健太を召喚したという訳なのよ。


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