第96話乱射大会

 その日の夕食後、メグミは一人迷宮のある丘の裏側、街のある入り江の反対側に来ていた。


 今日の迷宮での乱射大会は楽しかった。

 先ずは地下3階で皆で魔物達相手に乱射、これはイケるとそのまま地下10階に移動、『オクトパスショット』『ニードルクラーケン』『スナイピングシェル』等の遠距離攻撃をして来る魔物に遠距離攻撃合戦を挑んだ。

 結果はメグミ達の圧勝、『オクトパスショット』は秒間1発が精々、『ニードルクラーケン』は初発は8発飛んでくるが、その後の再充填に時間が掛る。秒間だと0.5発位になる、『スナイピングシェル』は一発の威力は大きいが発射間隔は長い秒間0.1発程度だった。

 その魔物相手に秒間6発の『ハープーンガン』で乱射していく、魔物は体が大きいので命中精度がソコソコでもガンガン当たる。唯一『スナイピングシェル』の貝殻が厄介で有ったが、此方は大口径のライフル型で貫通出来たし、マシンガン型でも連射をすると砕けてしまったため、無双状態で狩っていった。


「コレは良いです! コレは良い物ですわメグミちゃん! ふふふっ、ふふふふふっ」


サアヤがトリガーハッピーで留まることなく連射し続け、


「私は大人よーー!!! 可愛いものが好きで何が悪いのーー!!」


意味不明な事を叫びながらノリコがガンガン撃ちまくる。


「これは凄まじいね、いやこれはヤバい、弾切れの心配も無しにガンガン撃てる、しかもこの省燃費! 売れる! これは売れるよメグミちゃん!」


ナツオが興奮して叫ぶ、


「ん?? ん?? ん!」


最初戸惑っていたターニャも直ぐに慣れて撃ちまくる。


《私は魔力が限られているのでこちらの方が有ってますね》


『カナ』はライフル型が丁度良いらしい。大魔王迷宮に行く前のタツオ達も午前中は一緒に狩りをして、


「これもう少し口径上げたバージョンは作れないのか? もう少し一発の破壊力が欲しいな」


「でもコレ、人の大勢いる迷宮だと流れ弾が怖いわよ、この位で十分じゃないタツオ君」


「まあ射線の確認は必須よアカリさん、こんな連射で撃たれたら、普通の防具の冒険者はひとたまりもないわ」


「ねえメグミ先輩、これアリアさん達に渡しては? 魔力容量の高さと基礎魔法力の高さで、きっと使いこなしますわ、自衛用も有りますけど、最近迷宮に行きたがってましたからね、これなら攻撃力は十分ですし、この迷宮限定なら、『モノフィン』と『魔水膜』で機動力も十分です。戦えますわ!」


「そうね、良いかもね、ほらリボルバー型の小型の物も作ってるのよ、これとマシンガン型を装備させれば遠近両方ばっちりでしょう。今度誰か監督・引率を付けてココに来てもいいわね、防具は既に護身用に作ってあるのよね、折角デザインしたんだから自分達のも欲しいって」


「やる気満々ですわね、そうよね、この迷宮や水中なら彼女達も十分戦えるんですものね、守られてばかりは嫌だったんでしょうね」


「ジェシカなんかは特にそうね、あの娘元気だから、サンディは余り戦いたがらないけど、アリアさんやリズは自分の身を自分で守りたいって言ってるし、牝牛人族の全体でも、何も出来ずにまた攫われて奴隷になるのは嫌だって戦う手段を探してるみたいなのよ」


「もしかしてそれでこれ作ったんですか? メグミちゃん」


「そうよ、なに? 私がなにも考え無しに作ったと思ってるの? まあストレスの発散にもなると思ってたのは否定しないけど、4姉妹なんかが戦えるように成ってるのを見て、自分達も何か戦う手段が無いかって相談されたのが一番の理由ね」


「けどよメグミ、この形状でも胸が邪魔で取り回しが悪いじゃないのか?」


「それは大丈夫よ、『アクティブシールド』に内蔵させて制御する『アタックシールド』を作ったのよ! この機構をまんま『アクティブシールド』に入れ込んだわ、これで自分の周囲に浮かべて攻撃と防御両方に使えるわ、アリアさん達に『アクティブシールド』を試して貰ったら、やっぱり彼女達才能あるのよ、4枚まであっさり制御して見せたわ、これで2枚で防御しながら2枚で攻撃も出来る。完璧ね」


「ねえメグミちゃん何処まで作ったんだい? これ一体どこまで進化させる気なんだい?」


「別に元々が『アタックシールド』の副産物が『ハープーンガン』なだけですよ、元々手持ちを考えてないから、照準が『マジカルブローチ』にあるんです、それに手持ちじゃない、幾ら冷えても問題ないからこその初期の設計です。まあサブウェポンのリボルバー型の欠点も見つかって良かったですよ」


「ねえ、因みに『アタックシールド』の試作品は有るのかい?」


「これですよ、銃身を5個、盾に内蔵してます、横に一列で配置して制圧面積が広いので一気に薙ぎ払うことも出来ますし、中央部の物だけを使ってのスナイピングも出来るようにしてます。フロー機構との兼ね合いで重量的にこの銃身数が限界でしたね。

 最初は彼女達には『アタックソード』を使わせようかとも考えたんですけど、どうにも剣を使う才能には乏しいんですよね彼女達、軽くて魔力の消費が抑えられるから『アタックソード』も本当はお勧めなんですけどね……まあ彼女達なら魔力容量に問題はないし、魔力タンクも積んでいるので、普段から魔力を込めて置けば魔力切れで困ることは先ずないでしょう、ポーションは念のため必ず持つ様にしないとダメですが」


「これ少し使ってみても良いかな?」


「構いませんよ? 『マジカルブローチ』との同期は分かりますね? 鎧との同期も同様にしてください。後は魔力操作で照準を合わせればOKですよ」


「こうかな? ふむ、これは良いね、なるほどこれが照準かトリガーは?」


「魔力操作で行ってください、込めた魔力を発射するイメージです」


「へえ、これは凄い、なるほどこれだと完全に両手がフリーな状態で攻撃できるんだね」


「良い出来でしょ? 威力も見た通り十分です。これなら彼女達も迷宮で戦えますね」


「これはアレだよメグミちゃん、既に兵器レベルだよ、彼女達の引率は僕たち『北極星』がするよ、ちょっと実力の確認も含めて試して、冒険者ランクを決めないとダメだね、あと彼女達に渡すなら上に報告もしないとダメかもしれない」


「ナツオ先輩! 『誓約』忘れたとは言わせませんよ!」


「それは忘れていないよ、けどね何時までも秘密には出来ないよ?」


「まあ少し報告は待って下さい、取り合えず『マジカルブローチ』がひと段落着くまでは他の物は作りたくありません、それに私達は冒険者であって職人じゃないんですよ」


「メグミちゃん、どの口がそんなことを言うのかな? 次から次へと色々作ってるのはメグミちゃんだよ?」


「別に量産を依頼されないなら構わないんですけどね……何故か量産ばっかりさせられるから嫌なんですよ」


「そうよね、どうせこの制御系、『アタックシールド』も普通には作れない物なのよね?」


「もう嫌ですからね! こんな物、量産とか冗談じゃありません! 断固拒否します」


「私だってイヤよ! なんでアリアさん達の為だけに作った装備を量産しないとダメなよ、マシンガン型やライフル型、それにリボルバー型は他の人でも作れるんだから、最悪そっちで我慢して下さい、そんな感じで頼みますよナツオさん!」


「いや僕には決定権はないからね? プリムラ様に泣きつくしかないね、量産型の『マジカルブローチ』でさえ、現在販売先をこの地域の中級冒険者以上に制限してるからね。相対的な戦力の低下は避けたいだろうし、まあアレだね、他の国に情報が漏れるのを防ぐ意味でも、この『シーサイド』限定での使用に控えるべきだろうね、他国への流出は絶対阻止に幹部会議は動くよ」


「今量産型ってそんな感じで制限されてるんですか? 別に『黒銀』まで範囲を広げてもよさそうですけど?」


「まだ冒険者組合の直轄部隊への配備も済んでないからね、現在直轄部隊には仮に量産型を配ってるんだよ、量産型でさえ評判はすこぶる良い、オリジナルスペックの配備を皆待ち望んでいるみたいだよ」


「師匠達の手がもう少し借りれれば私達だけで作ることも無いんだけどな……無理なんですか?」


「後進の育成が師匠達の役割だよ、メグミちゃん達だって色々教えてもらっただろう。生産に掛かりっきりになるわけにはいかないよ、今冒険者組合の方でも技術者の育成と募集はしてるからもうちょっと待ってほしい、大丈夫だよ人手は増えるから、『シーサイド』の拡張工事も決まったし」


「本当でしょうね? もう内職ばかりは嫌ですよ。って拡張工事決まったんですね」


「流石にここまで冒険者が増えるとね、毎回ヘルイチに戻るのを皆面倒がってね、宿泊施設の増設の要望と、水産加工場の増設も要望されてる、今ヘルイチから資材や建設重機も運んでいるから、届き次第工事だね」


「どこら辺に拡張するんですか? 綺麗な砂浜を潰すのは勿体ないですね」


「今の予定地は迷宮の裏側、街の反対側だね、現在は迷宮を中心に扇形に広がっているけど、北側の方に広げて、迷宮を中心に円形に広げる予定だよ、北側は陸地が広いからね、砂浜を埋め立てては折角の観光資源が台無しだろ? ジャングルを切り開いて北側に広げるなら特に問題は無いって理由だね」


「動物や、魔物の実態調査はどうしてるんですか? 『ジャイアントグリーンバイパー』とか結構狩っちゃったから生息数が最近心配なんですよね」


「野生の物の数は確かに減っているね、けどペット化したからこれからペットとしては増えるんじゃないかな?」


「野生で全滅とかは避けたいですけどね」


「結構広い島だから、全滅はしないと思うけどね、周辺の他の島でも生息が確認されているし、それにここの固有種って訳でもないんだよ、この島の魔物は、他から移って来た魔物が多いからね」


「そうなんですか? 絶海の孤島なのにどうやって来たんだろう?」


「メグミちゃん、蛇は結構泳ぎが得意なんですよ、『シーサーペント』なんかも居る位ですからね」


「泳いで渡って来たんだ、やるわね、じゃあ昆虫型も飛んできたのかな? 羽が有ったし」


「そうみたいだよ、絶海の孤島とは言え小さめの島は途中に幾つかあるし、この辺りは周辺に島も多い、『トロピカルタランチュラ』なんかは小さい時にこの島に他の生物にくっ付いて渡って来た個体が居て、それが繁殖したみたいだよ」


「けどこの島独自の生物とか進化とかしている生物も居そうですよね? 今度暇なときに調べてみるかな、ジャングルの中にまだ見たことのない植物や生物がいそうだし」


「まあ元の世界での生物の絶滅を知ってると、その辺気になるよね、けどメグミちゃんは意外なところに食いつくね」


「単にいい素材が取れそうな生物が知らない間に絶滅とかされるのが嫌なだけですよ、そうでなくても素材高いのが多いのに、これ以上値上がりされても困ります」


「少し感心してたのに、メグミちゃんはやっぱりメグミちゃんなのね」


「お姉さま、そんな期待をしてたんですか? 私は『ジャイアントグリーンバイパー』の話題が出た時からそんな気がしてましたよ? メグミちゃん、『ジャイアントグリーンバイパー』でしたら『イーストウッド』の迷宮やその周辺の森にも居ますし、確か大魔王迷宮の地下20階にも居たはずですわ」


「別に素材だけって訳でもないんだけどね……ほらペットにした『ジャイアントグリーンバイパー』ってこの間脱皮したじゃない、そしたら『シャドウバイパー』や『フレイムバイパー』『ホワイトアナコンダ』『クリスタルシーサーペント』『サンダーサーペント』と色々な魔物に進化した個体が出たのよ、真面な『ジャイアントグリーンバイパー』のまま成長してる個体の方が珍しい状態よ? 不思議じゃない? 少しその辺調査したいのよ、何が原因であんなに多様に進化してるのか、そもそもこの島の『ジャイアントグリーンバイパー』は何故他の種類に進化しないのか調べたくない?」


「あれは不思議でしたね、まああの辺は近縁種なのでしょうね、それぞれの因子を持っていて、環境や食べ物で様々に変化してるんじゃないでしょうか? ペットに関しては飼い主の特性を色濃く反映してるみたいですね」


「魔物のペットは色々な進化をしやすいからね、灰色狼や剣刃虎も色々進化して行くからね、特に冒険者に飼われているペットは様々な成長の仕方をして、変わった進化をするのが多いね」


「そうなんですか? ふむ、ソックスも今後どうなるのかな? あの子ソロソロ進化しそうな雰囲気なのよね」


「ラルクもそうよ、あの子進化って何になるのかしら? これ以上大きくなると迷宮に入れなくなりそうよね」


 そんな会話をしつつ乱射大会は背後で進行中である、午後からタツオ達は悔しがりながらも大魔王迷宮の4姉妹達の様子を見る為離脱して、メグミ達はそのまま乱射を続けた、地下10階に溢れていた魔物は大半を狩り尽くし、地下11階に降りて更に乱射を続けた。

 夕食時まで乱射したサアヤやノリコ達の顔はすっかり満足したのかスッキリとしていた、


「耐久性にも問題はないね、これだけ撃ってもビクともしないよ」


「まあ機構が単純ですからね、可動部分も殆どないですし、火薬を使用していないので銃身も汚れませんから、ノーメンテでも結構撃てますね」


「これメンテナンス必要なのかしら?」


「まあ綺麗に磨いたり、そうね、あとは亀裂なんか生じていないかチェックするくらいかな? 防錆も付与してるから、一番問題なのは繰り返し応力によって生じる内部亀裂による断裂のチェック位かな?」


「それなら普通の剣と一緒で薬剤に浸けておけば宿った精霊が自己修復してくれそうね、実質見た目の為に磨く位ですか?」


「そんなものね、手入れも簡単で言う事ないわね、我ながら良い物造ったわ、これならアリアさん達にも簡単に扱えるわ」


「じゃあ僕たちが明日は彼女達を監督・引率して地下10階に行ってみるよ、彼女達も『電撃網改』は使えるんだよね?」


「使えますよ、基本的に魔法や加護は可成りの腕前で、基本的な魔法はほとんど使えます。彼女達に足りないのは武技だけですね、武器を使って戦ったりしないから、これだけは殆ど使えません、防御系の物を幾つか使える位ですね」


「これさえあれば可成りの所までは進んで行けそうだね、けどこれだけだと階層主含めて、硬い魔物はダメなんだろうね」


「そうですね、これで倒せる硬さは『スナイピングシェル』位まででしょうね、それより硬いと攻撃が通りませんね、柔らかい所を狙えば幾らかのダメージは与えれるでしょうけど、ゲームじゃないですからね、そこだけ攻撃して如何にかなる階層主は少ないでしょうね、まあ逆に柔らかい階層主であれば、余裕で倒せそうです」


「まあ雑魚狩りにはもってこいだろうね、特にこの迷宮は接近してくる魔物には『電撃網改』があるし、遠距離から攻撃してくる魔物は圧倒的な弾幕で蹴散らせる。とても相性が良い魔道具だよ」


「帰ったら早速アリアさん達に渡しますよ、この『アタックシールド』は便利なんですよ、こう遠隔操作で物陰に隠れた敵も攻撃できますし、射角が可成りの自由度を持ってますからね、こっちは物陰に隠れたまま一方的に攻撃も出来ます、『マルチアイ』も仕込んでいるので『マジカルブローチ』と連動して攻撃の仕方の自由度が凄く高いです」


「ねえメグミちゃんやっぱりこれは兵器だよ? これは多分特殊部隊の採用待ったなしだと思うな……」


「絶対に量産しませんからね!! 絶対です! もうこれ以上は無理です!」


「サアヤちゃん落ち着いて、そんなに乱射すると危ないわ! けどそうですねもうこれ以上は無理ですね、暫くは量産を待って下さい」


「さっきも言ったけどプリムラ様に相談してみてよ、僕からは何とも言えないね、まあ僕から情報が洩れることはないから、暫く様子見かな?」


「そうしてください、取り合えず渡すのはアリアさん達4人に限定しますから、マシンガン型やライフル型、リボルバー型はナツオさんに任せるので、そっちで対応してください」


「了解、それじゃあこっちは僕の方で人手を集めて量産してみるよ」


 そんな事を話しながら夕食まで乱射大会は続いた、終わるころには地下11階もほぼ魔物を狩りつくしていた。この魔道具の燃費の良さは特筆ものであった。


 そして今、メグミは今後『シーサイド』の街が拡張される予定地、迷宮の裏側に来ていた。ターニャや『カナ』と共に、何か珍しい夜行性の動植物、魔物等が居ないか調査の為だ、


「うーーん、目ぼしい物は何もないわね、朝の日課で回ってるそこら辺のジャングルと一緒ね」


「ん!」


「そうね、まあ折角来たんだから薬草でも摘んでかえるかな?」


「ん?」


「ん? どうしたのターニャ、空に何か見えるの?」


「見てくる!」


「何かしら? 『カナ』何か見えるの?」


《何でしょうか? 空に何か浮かんでますね、高度が可成り高いです》


「なにか浮かんでいるの? ふむ、ターニャも木の上に昇っちゃったし見晴らしのいい場所……丘の上に行くわよ、ターニャ、先に行ってるわよ」


「ん!!」


「なに? まあ良いわ、ダッシュよ『カナ』位置は『マジカルブローチ』で分かるでしょ合流できるわ」


メグミが丘の上に移動すると頭上でも木の梢をターニャが渡って付いてきている、


(サルかあの子は、器用にわたってくるわね、猿飛の称号を進呈したいわ)


そうして丘の上の少し開けた野原に到着して空を見上げる、


「確かに何か東の空に浮かんでいるわね? うーーん遠くて良く見えないわ、『カナ』目を貸して、同期するわよ」


《イエス、マイマスター! どうやら島のようですね》


「あ、本当だ、島ね空に島が浮いてる、構造物も見えるわね、ねえ『カナ』もうちょっと拡大できない?」


《これが限界です、ここから先はソフトウェアで拡大した方が効率が良いですよマイマスター》


「それもそうか、ねえターニャ、貴方でもこの位が限界?」


「ん!」


「そう、なら少し画像処理で拡大してっと、へえ、なんだろ空に浮かぶ城? 要塞の方が近いのかな? 珍しいもの見たわね、そうだタツオに画像を送ってやろう、確か前に話に聞いた時興味ありそうだったものね、この距離なら今から知らせればタツオも見れるんじゃないかしら?」


《マイマスター、あの浮遊物、ゆっくり此方に近づいてきてます》


「そうなの? ふむ、ハルミさんからそんな物が近くを通るなんて話は聞いてないわね、いっそ全員に知らせてみるか……画像を付けて『天空の城発見ナウ!』っとこれでどうだろ? 送信っと」


《あの重量の物が浮かぶんですね、不思議です》


「不思議の塊のようなあんたが言うのね、まあ良いわ、本当にどうやってるんだろうね? 重力制御する何かの装置か、そう言った不思議石が有るのかしら? ターニャ何か知らない?」


「ん……」


「まああまり期待はしてなかったから落ち込まないで、ほんとうに何だろうね? どういった仕組み何だろう? 造れるものなら造って個人で浮島とか所有したいわね、結構快適そうよ、飛空艇も構造を聞いて作ってみたいし、浮島を中心に空の旅よ! 夢が膨らむわね!」


夢をメグミが語っていると、突如街から警報のサイレンが鳴り響き、サーチライトが天に向かって照らされる。

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