一冬の糸

作者 若桜由東

87

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★★★ Excellent!!!

著者が〝小説初心者〟とは思えないほど質がいい作品でした。
まず、文章ひとつひとつが重すぎず軽すぎず、長すぎず短すぎず、全体を通してとても読みやすかったです。一気に読んでもまったく疲れませんでした。
次に、ストーリー展開の仕方が秀逸でした。次はどうなっていくのだろうと気になって、休憩も挟まずどんどん読み進めてしまいました。気づいたら1時間ほど没頭していました。うまく言えないのですが、伏線の張り方とか、読者の気の引き方とか、そういったことがとてもうまくできているのだと思います。
実際に起きた事件をベースにすると、どうしても話の流れがぎこちなくなったり、事件そのものの〝力(印象の強さと言ってもいいかもしれません)〟に小説の〝力〟が負けてしまったりということが起きるような気が(勝手に)するのですが、この作品は実にうまく事件を小説のなかに取り込めていると思います。

壮大な警察映画や刑事ドラマが好きな人はとても楽しめる作品です。
何人もの方がすでに言われていますが、まるで濃密なクライムサスペンス映画を観ているような気分にさせられる素晴らしい小説でした。

完結おめでとうございます。
ここまでスケールの大きい作品を完結させることは並大抵のことではないと思います。

★★★ Excellent!!!

パリで起こった殺人事件。
その事件が、沖縄で起こった誘拐事件と。
更には世間を叫喚させた日本の最大事件と、細く、確かな強度をもった糸で繋がっていきます。

圧倒的なスケールで描かれた、読み応えのあるミステリー。

あの真っ暗な映画館で上映される、映画の世界に没頭するような時間を、この小説では楽しめます。

★★★ Excellent!!!

この作品が処女作とはとても信じられない、圧倒的な筆力で描かれる重厚なミステリー小説です。

パリと沖縄、それぞれで起こる凶悪犯罪。蓋を開ければ、一本の糸で繋がっていた――。

小さな手がかりから事件を紐解いていく様子に、清々しいほどの快感を覚えます。読んでいて、こんなにもワクワクするミステリーをこの場所で読ませていただけたことに感謝の念以外に湧き出るものはありません。

とにかく、多くの方に読んでいただきたい。
私から言えることはそれだけです。
絶対的な面白さを保証します。

★★★ Excellent!!!

 まるでプロが書いたかと見まごうばかりのサスペンス。パリの風景と沖縄の美ら海が交錯する。いや、もしかしたら、海は出てこないかも知れないが。


 実際に起きた二つの事件を題材に、架空の物語を構築し、一級のサスペンスを描くさまは、とても小説初心者とは思えない。が、案外イージーなミスもあり、あ、やっぱ初心者か?と。だが、初めてでこれほど書けるのは驚異だ。

 読みやすい文体。誤字脱字もほとんどなく、プロ級の筆致。でも、笑っちゃうような書き違いもあって、そこはお茶目。

 だが、なんといっても脚本としてのサスペンスがしっかりしている。少なくとも、通常の二時間サスペンスは凌駕している。
 推理、そして謎解き。アクション、サスペンス。息つく暇もなく展開するパリと沖縄の物語が、一気に収斂するさまは、見事のひとことに尽きる。

 あちこちに「ん?」と思うような部分はあるのだが、そう言った欠点を蹴飛ばすような怒涛のサスペンスだ。とにかく読みだしたら止まらなかった。

★★★ Excellent!!!

日仏合同制作、今冬最高のサスペンスミステリー大作!
そう銘打たれてもおかしくない作品を、このカクヨムで読めるとは。どこの劇場へ足を運べば観られますか?

パリで起きた、日本人殺害事件。
沖縄で起きた、県知事の孫娘の誘拐事件。
遠く隔てた地で発生した、一見すると何の関係もないように思える2つの出来事は、なんとあの有名な事件によって繋がっていた!

1977年に東京で起きた、『三億円事件』。
史上最大の未解決事件として今でもメディアに登場するその名を、誰もが一度は耳にしたことがあるはず。
この作品が圧倒的なリアリティを放つのは、こうした実在の事件をキーとしていることが1つの要因であると言えるでしょう。

細い糸を手繰るように、僅かな手掛かりから少しずつ明らかになっていく真実。
銃撃戦や爆破事件の緊迫感。
何より、パリと沖縄、2本の糸が徐々に絡み合って物語が大きく動く展開に、目が離せなくなります。
無駄がなく読みやすい文章に加えて、テンポの良いシーンの切り替えで、一度読み始めたら止まらなくなること間違いなし!

本格的、実写的なサスペンスをお求めの方におすすめです。
驚くべき事件の真相を、ぜひあなたの目で確かめてください。

★★★ Excellent!!!

 最初に意外な人物を犯人として明かし、いっきに読者を引きつけます。そして、なぜ犯行に至ったのか。それに関わる人間模様や、未解決事件の過去を絡めつつ、パリと沖縄という二つの舞台から、同時進行で解き明かしていく本格サスペンス。その中でさらなる犯人像を浮上させたり、相棒に強い若者をキャスティングするなど、読者を食いつかせるポイントも得ています。

 しっかりと計算された展開に、まるでドラマか映画を観ているように読み進められます。ただただスゴい。

★★★ Excellent!!!

 最初に事件が起こったのはパリだった。しかも凄惨な殺人事件だ。しかしこの事件はある人物の告白によって、解決するかに見えた。
 一方、パリでの殺人事件が日本の沖縄につながっているとにらんだ刑事たちは、沖縄でも捜査を開始する。日本で過去に起きた強盗事件と、現在進行で刑事が追う謎。
 果たして、ある人物による告白は真実なのか、それとも?
 遠く離れた沖縄とパリで、警察による捜査が同時進行し、二つの場所の情報が次第に絡み合っていく新感覚ミステリ! ミステリ好きならきっとハマること間違いなし!
 是非、ご一読ください。

★★★ Excellent!!!

遠く離れた場所にあるパリと沖縄が舞台の、本格ミステリー小説です。世界観をはじめ、文章が適度な長さでまとまっており、とても読みやすいです。5万文字という文字数でありながら、たび重なる謎や事件が出てくるため、独特の雰囲気を持つミステリーの世界へと読者を引き込みます。

★★★ Excellent!!!

猟奇事件、メモを残して消えた上司、目撃者の驚愕の証言。
数々の衝撃的な要素から幕が開けるパリでの事件とは対照的に、些細な依頼から少しずつ事が大きくなっていく沖縄での調査。
二つの事件の果てに潜む真実とは……!

本格ミステリーですが、1話毎の文字数が長過ぎず、それでも毎話着実に本筋が進んでいくテンポの良さ。
Web小説としての本格ミステリーとしては、完成形の作品ではないでしょうか。