高齢者、病人ーーそんな人達が「物」と呼ばれ、文字通り人間扱いされない「くに」。そこで主人公はそんな人々の中でも鬼のような所業を行っているという女性中尉の下についてーー
凄惨な描写が多く、胸糞が悪くなる展開が序盤に続きます。しかしそれもまた、その「くに」の中にそういうシステムがあるからであり、同時に作者の描写が生々しく、筆力が高いからこそ感じるものでした。いずれ……というよりも今も起きつつある高齢者社会の一つの極端な行き先として、深く考えさせるものでした。
結末はハッピーエンドかどうか。これまでの過程を考えると極めて難しいと思います。
苛烈な描写があるので人を選ぶとは思いますが、作品としてはかなり完成度が高い作品なので、そのような耐性があるかたは、是非とも読んでみてください
まるで北と南に分かれた某国のような異常な世界の話。
仕事の出来ない老人や病人は『物』として指導という名の虐殺をしなければならない。
そんな常軌を逸した日常に葛藤しながら、また時に麻痺しながらも主人公である心優しい少年は国のあり方や人のあり方に悩みながらも成長していく……。
『すばらしいくに』とされる民主主義もへったくれもない国の未来は一体どうなるのか!?
主人公はそんな世界でハッピーエンドを迎えられるのか!?
そもそも、こんな世界でハッピーエンドなどあり得るのか!?
それが気になって、気になって、もうハラハラドキドキの連続ですよ!
さあ、君を一緒に『すばらしいくに』を訪れてみよう!