五日目④

 二〇一四年にダナン空港の改修工事完了後も、次々と空港の拡張工事計画を打ち出し、ベトナムはさらなる渡航者を見込んでいる。日本では成田直行便に関空便を加え、二〇一七年四月には羽田直行を開設する。ハイアットもこれに合わせ、リージェンシークラブと名付けた特別カテゴリーの宿泊を盛り込んだツアーを打ち出していた。

 サクヤたちは、このリージェンシークラブを選んでいたのだ。

 クラブ・ラウンジが使えるため、朝夕の無料飲食、日中のドリンクサービス、夜のカクテルタイムとかなり便利。リージェンシークラブ専用のプールもあり、クラブ・ラウンジを経由しなければたどり着けない構造になっているため、プライベート感が高い。ファミリー向けな側面もあり、うるさく子供がはしゃぎまわらなければ、静かな雰囲気を堪能できるだろう。

 五行山観光に行くキョウとカコを同部屋にし、サクヤはトモと同室となった。

 部屋に入ると、壁に飾られた魚と花柄の大きなプレートと茶器に出迎えられる。

 二人で宿泊するには申し分ない広さ。クローゼットにスーツケースを起き、セーフティーボックスを確認。トイレは別、洗面台の奥にバスタブ付きシャワールーム。木製ケースにはアメニティーグッズが揃っている。

 二つならぶシングルベッドの向こう、窓からは白波が押し寄せるビーチが望めた。

 ソファー側に置かれていた皿のウェルカムフルーツにはドラゴンフルーツと青パパイア、マンゴーが置かれているのをみて、サクヤは目を見開いて興奮した。


「フュージョンマイアは素晴らしかった。ただ、あれ以上の連泊はいろいろと苦しくてハイアットに来てしまったが……トモ、さっそくマンゴーを食べるぞ」

「マンゴーもいいけど、ランチに行こうよ。それにハイアットだっていいホテルだよ。一応五つ星だから」

「わかってる。ランチはどこへ?」

「プール・ハウス。プールサイドのレストラン。サクヤが食べたがっていた揚げ春巻き、食べに行こ」

「そうだった」


 部屋に荷物を置いたあと、二人は敷地内にあるレストランプールハウスへ向かった。

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