魔導師となった僕の、贖罪の旅路。

作者 華や式人(しきと)新文芸格闘中

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★★ Very Good!!

罪を犯した者は魔導師となり、罪と同等の重さの「罪の魔導書」を腰に帯びて、贖罪の旅を続けなければならない。「罪の魔導書」は他者から罪を赦されるごとに軽くなる。
《セルドール・ガンジャルト》
彼もまた罪を犯して、魔導師となり、数奇な運命で巡り逢った悪魔を連れて、贖罪の旅を続けていた。されど、彼の言動は一貫して善。彼はいかなる罪を犯し、なぜ罪人となってしまったのか。

設定の段階からして独自の世界観が構築されており、様々な謎をちりばめながらもそれらがすべてかみあい、ひとつの物語にむかって歯車のようにまわる様は、素晴らしいの一言につきます。また登場人物ひとりひとりが、各々の価値観を持って行動しているところも非常に好感がもてます。価値観で登場人物の個を表現するというのは、並大抵のことではありません。
特に主役であるセルドールは影があり、罪人となるに至った複雑な過去が見え隠れしていて、実に魅力的です。第5話のセルドールと悪魔の会話のあたりで、彼の人柄が窺い知れて、惹きこまれました。

――いかなる種族であろうと、いかなる理念があろうと、罪の重さとは等価。罪とは結果である。経緯はそこに関係しない。そこに至る想いもまた。

現在第23話まで拝読致しましたが、まだまだ贖罪の旅の半ば。
セルドールの《罪に非ざる罪》の結末を見とどけたく、更新をお待ち致しております。まだ完結していないというのもあり、期待をこめて星はふたつとさせていただきます。